「不当解雇された!」と思ったときに知っておくべきこと


「不当解雇された!」と思ったときに、慌てて不用意な行動をして後で後悔しないために、まず知っておいて頂きたいことをまとめてみました。

本当にそれは「解雇」なのか?

「不当な解雇をされたんですが」というご相談をお受けする中では、結構な割合で「これは解雇されたといえるのだろうか・・・」と思うケースがあります。つまり、会社からの求めに応じて不本意ながらも自分から退職しただけのように思えるケースです。

会社から労働者に対して、単に「自主退職してほしい」という希望を伝えること(退職勧奨)自体は特段違法なこととは言えません(もちろん、方法等によっては違法となります。詳しくはこちら→退職勧奨(退職勧告)が違法となるとき~退職届けを出す前に知っておきたいこと

このような会社からの単なる退職勧奨に対して、自分から辞めることを選択して退職届けを出したということになると、後に解雇が無効だと主張しても、会社からは「自主退職しただけで会社は解雇などしていない」と反論されてしまいます。

したがって、「不当な解雇がされた」と思ったときは、まずは、本当に解雇されているのかを落ち着いて良く考えてみて頂きたいと思います。

退職届けは出さない/不用意に決めつけない

たとえば、本当は辞めたくないのに自分から退職届けを出してしまうというのは最も避けるべきことです。

退職届けを出してしまったという場合も、「錯誤で無効である」とか「脅迫によるものだから取り消す」といった主張ができないわけではないのですが、法律上いろいろと難しい問題があります(詳しくはこちら→退職届けは撤回できるか?)。

また、思い込みで「解雇された」と決めつけ、出社しなくなるというのも非常に危険です。(実際に解雇なのか自主退職なのかが争いになってしまったケースについて知りたい方は、解雇と自主退職の境界~「辞める」と口にする前に知っておきたいことをごらん下さい)

解雇であるのは明らかという場合に行うべきこと

解雇であるのは明らかであるという場合に、考えなければならないのは解雇の理由をはっきりさせることです。具体的には、会社に対して解雇理由証明書の交付を求めることになります。

解雇理由証明書とは、どのような理由で解雇となったのかを会社に明示させる書面で、労働基準法22条で、会社は労働者が請求した場合にはこれを交付することが義務づけられています。

重要なのは「労働者が請求した場合には」という点です。つまり請求しなければ会社に交付義務はありませんので、何はともあれ、会社に対して解雇理由証明書の交付を請求しましょう。

(すんなり出してもらえない場合の対処についてはこちら→解雇通知書を渡された時にまずしなければならないこと

それは「不当」なのか?

さて、解雇理由がはっきりしたら、次は、その解雇理由が、不当なのかどうかを考えることになります。

どのような場合に「不当な解雇」となるのか、基礎的な知識をまず押さえましょう。→解雇と解雇理由~どんなときに解雇が許されるのか~

また解雇の理由や解雇の種類等によって、「不当な解雇」かの判断要素も変わってきます。

・解雇理由としてよくあるのが、「成績不良/不適格」というものですが、成績不良で解雇されたという事例について知りたい場合はこちらをご覧ください。→成績不良・適格性欠如と解雇~あなたは成績が悪いから辞めてもらいます!?  

・解雇には普通解雇と懲戒解雇があり、懲戒解雇の場合には普通解雇とは違った問題があります。
懲戒解雇と普通解雇の違い
懲戒解雇が無効となるとき

・契約社員が期間途中で解雇される場合もありますね。
契約社員と解雇~契約期間途中での解雇と自主退職~

・使用期間中の本採用拒否も、実は解雇の一種です。
試用期間と解雇~どのような場合に本採用の拒否が許されるのか~

どう争うのか

やっぱり不当な解雇だ!となった時に考えなければならないのは、では、それをどう争うのか、という点です。

解雇の争い方には意外とややこしい問題があります。
不当な解雇の無効主張と損害賠償請求~解雇は争いたいけれど、職場には戻りたくない?!

実際に裁判所に持ち込むかはともかく、争い方としてどのような手続きがあるのかも押さえておきたいところです。
労働審判~解雇を争うための手続きを考える



併せて知っておきたい

解雇予告手当が必要な場合とは?

退職後も競業避止義務を負うのか?~誓約書への署名を求められたときに知っておきたいこと~

業務上のミスを理由に会社から損害賠償請求されたときに知っておきたいこと

懲戒解雇と退職金の不支給~その就業規則は有効か

会社を退職するとき、解雇されたときに知っておきたいこと(主な記事一覧)

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