裁判と証拠~その主張に客観的裏付けがあるか




真実を明らかにする?!

裁判手続きというものについて「真実を明らかにして、悪い者をさばいてくれるところ」というイメージを持たれている方がよくいらっしゃいます。

間違いとは言いませんが、もしそれが「裁判所が率先していろいろ調べてくれる。その結果真実を明らかにしてくれる」ということなのであれ、残念ながら、それは間違いです。

当事者が提出した証拠による判断

裁判所は、基本的に、両当事者が提出した証拠に基づいて判断をします。

裁判所が率先して事実を調査し、それに基づいて真実を明らかにしてくれるというわけではないのです。

こうした仕組みになっているもとには、「事実関係をよく知っており、かつ利害関係を持っている当事者こそが立証活動をするのにもっともふさわしく、両当事者がそれぞれ立証しあった結果に基づいて判断することこそが真実を明らかにすることにつながる」という考え方があります。

相談者の中には時々、「調べてくれれば私が言っていることが正しいということはすぐ分かる」とだけ言われる方もいらっしゃいます。

しかし、裁判所に対してそれだけ言っていても、残念ながら全く通用しません。

たとえ真実でもそれが立証できなければ真実と評価してもらえないのです。

客観的な証拠の重要性

また、証拠というときに、大事になるのは客観的な証拠です。具体的に言えば、書類や録音音声といった証拠です。

もちろん証言(証人)というのも重要な証拠です。しかし、証言というのはいくらでも作りあげることができるものです。

様々な訴訟に携わっていると本当によくわかるのですが、裁判では、同じ事実について証言が真っ向から食い違うというのがむしろ普通のことです。

これも一般の方からすると、大変不思議に思えるかもしれませんが、虚偽の主張や証言が堂々となされるのが現実の世界です。
このように証言というのはいくらでも作り上げることができるからこそ、裁判所からみると、証言だけに頼って判断をするわけにはいかず、客観証拠の役割が大きくなってきます。

したがって、将来的に何か争いごとになりそうな時には、客観的な証拠を集めておくことがとても大切になってきます。

やりとりされた書類をとっておくこと、重要なやり取りについて録音をしておくこと、詳細な記録を残しておくこと、こういったことが後々役立ちます。

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