裁判の流れを知る

裁判員裁判が行われるようになった影響もあると思いますが、刑事裁判がどのようなものかという知識は一般の方にも広がり始めているように感じます。

他方で、民事裁判に対しては、まだ一般の方はなかなかイメージが湧かないようです。

ここでは、民事裁判についてイメージを掴んでいただくために、裁判の流れについてご説明します。

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書面による主張整理

一般の方の中には、裁判というと、法廷で丁々発止で主張を述べ合うようなシーンを思い浮かべる方がいらっしゃいます。

しかし、現実の裁判の進行は大きく違います。

まず、裁判では、基本的に書面でのやり取りが中心になります。

互いの言い分については、裁判の日にその場で口頭で述べるわけではなく、あらかじめ書面にまとめ、これを提出するのです。

そして、原告の主張に対して、その次の期日には被告が反論の書面を出し、さらにその次の期日では、原告が再反論をするというような形で、裁判は進んでいきます。

裁判の最初の段階では、「主張整理」といって、このように双方の主張を書面で出し合い、これを通じて、双方で何が争いになっているのかという争点の整理をしていきます。

当事者の出頭について

代理人として弁護士を頼んでいる場合には、この段階では、当事者が裁判所に出頭する必要はありません。

書面作成のために、代理人である弁護士との打ち合わせをすれば足ります。

(もちろん、出頭をしたければ出頭をしてもいいのですが、裁判の日には、実際には多くの場合、次回期日を調整しあうくらいで終わってしまいますので、拍子抜けで終わる可能性が高いといえます)。

証人尋問

この「主張整理」のための期日がしばらく続き、やがて双方の主張が尽きて、争点が明らかになった段階で、次に「証拠調べ」といって証人尋問手続きが開かれます。

多くの場合、当事者が出頭しなければならないのは、この時です(当事者の尋問が実施されるためです)。

証人尋問とは、当事者が、法廷で、代理人の弁護士や相手方の弁護士、裁判官からの質問に答える形で、証言をする手続きです。

一生のうちでそう何度も経験することではないため、多くの方が大変緊張して臨まれます。

ただし、自分の意見を述べるというような手続きではなく、あくまでも順番に投げかけられる質問に一つずつ答えていく手続きですので、特別に難しいことが求められるわけではありません。

「思っていたよりも、あっという間に終わってしまいました」という感想を言われる方が少なくありません。

そして、証拠調べ手続きが終わると、結審し、判決が言い渡されることになります。

和解解決について

以上が、民事裁判のごく大雑把な流れですが、この裁判の手続きの中でも、話し合いによる解決、つまり和解解決を試みる場合があります。

つまり、裁判手続き=判決というわけではなく、裁判手続きの中でも話合いによる解決が行われることがあるのです。

しかも、割合でいうと、話し合いによる解決で終了する場合の方が圧倒的に多く、判決までいくケースは少ないのが現状です。

この点も一般の方の持つイメージとは大きく違う点かもしれません。

裁判所が和解解決を試みるかどうか、試みるとしてもいつそれを双方に打診するのかというのは、決まった手続きがあるわけではありませんので、事案ごとによって変わります。

例えば、訴訟を提起した初期の段階、争点整理が終わった段階、証人尋問が終わって判決直前の最終段階、といった適宜のタイミングで裁判所から和解の可能性について打診をされることがあります。

和解による解決が全く見込めないというような場合であれば、最初から和解の話合いもされないまま判決に至ることもあります。

もちろん、和解を受け入れるかどうかは当事者の自由です。

和解を受け入れるメリット・デメリットを代理人と良く協議して結論を出します。

和解が最後までまとまらなければ、最終的には判決になります。

(労働事件では、通常の裁判とは別に労働審判という手続きもあります⇒労働審判とはどのような手続きか

控訴審

判決結果に不服がある場合は、控訴をすることが出来ます。

もっとも、控訴審は、最初から審理をやり直すわけではありません。

1審で十分な審理をしている場合などは、1回で結審してしまう場合もあります。また、控訴審では、1審の判決結果も受けて、改めて話し合い解決を試みる場合もあります。

証拠の重要性

時々、裁判をすると相手方がとたんにごめんなさいと言って謝ってくれることを期待する方がいらっしゃいます。

しかし、それはほとんどの場合期待できません。むしろ、争いがあるからこそ裁判になるのです。

したがって、相手はあなたの言い分を否定し、相手の言い分を主張してきます。

相手の主張を覆し、自分の主張の正当性を立証するためには証拠が必要になります。

裁判所はあくまでも証拠によって判断をします。また、裁判所に任せておけば証拠を見つけてくれるわけではありません。

自分の言い分は自分で立証しなければならないのが原則です。

したがって、トラブルが発生しつつあるときには、出来る限り証拠を残しておくことが大切になりますし、裁判に踏み切るかどうかという時も証拠に照らしてどうなのか、立証の見込みを十分に検討することになります。

(詳しくはこちら⇒不当解雇を争うための証拠とは

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