パートタイム労働者も「労働者」
働く人の中には、パートやアルバイトなど名称は様々ですが短時間労働をする人がいます。
このようなパートタイム労働者は、数としては労働者の中の少なくない部分を占めています。
会社によっては、パートタイム労働者であるというだけであたかも労働法の規制が取り払われるかのように考えているような(少なくとも、そう考えているようにしか思えないような)ケースがあります。
しかし、パートタイム労働者も、労働者であることに変わりはありませんので、当然のことながら、労働基準法その他の労働法の保護を受けます。
のみならず、パートタイム労働者が、不安定な地位もしくは差別的な待遇を受けやすいことにかんがみて、より厚い規制がされている事項もあります。
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労働条件の明示
例えば、労働契約締結の際の労働条件の明示についてです。
労働基準法では、使用者は労働契約を締結する時に、賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければいけないとされています。
特に、
・労働契約の期間
・就業の場所と従事すべき業務
・始業・終業の時刻や所定労働時間外労働の有無
・休憩・休日・休暇
・賃金、退職に関する事項
については、書面で明示することが義務づけられています。
一般の労働者の場合はこれで足りますが、パートタイム労働法は、パートタイム労働者については、上記に加えて、さらに
・昇給の有無
・退職手当の有無
・賞与の有無
についても文書の交付等により明示しなければならないとしています。
このような事項をめぐって紛争が生じやすいことに鑑みて設けられた規定で、守られない場合は罰則も設けられています。
待遇の決定にあたって考慮した事項の説明義務
また、パートタイム労働法13条によると、事業主は、
「パートタイム労働者から求めがあった時は、賃金や就業規則の作成手続き、教育訓練等に関する決定をするに当たって考慮した事項について説明をしなければならない」
とされています。
パートタイム労働者であるというだけで通常の労働者と比較して差別的な待遇を受けることがないようにするための措置の一つです。
重要なのは、このようなパートタイム労働者の待遇の問題は、決してパートタイム労働者だけの問題ではなく、通常の労働者の労働条件や待遇とも密接に関わる問題だということです。
様々な事情によりパートタイム労働という働き方をしている人も含めて、働きやすい職場づくりがされることは、働く人たち全体にとっても大切なことです。
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