労働契約法~労働トラブルの解決に役立つ基本ルールについて

労働契約の大原則

弁護士として労働関係のご相談を受けていると、細かな法律の規定に違反しているかどうかよりも、守られるべき労働契約の基本ルールが無視されてしまっていることによって生じている問題が大変多いように感じます。

働くときに、会社(使用者)との間で結ぶ労働契約は、とても身近で生活に重大な影響を与える契約関係です。

しかし、働き始める前までに労働契約について詳しく学ぶ機会はなかなかありません。

そのために、働く人が、自分を守るすべを何も持たないままトラブルに巻き込まれ、不利益を受けている例をたくさん見ます。

労働契約法

平成19年に成立した労働契約法は、そのような労働契約の基本ルールを知る上で大変役立つ法律です。

わずか19条の条文しかなく、すぐに読めますので、ぜひ一度お読みいただくことをお勧めします。

ここでは、労働契約法のいくつかのポイントについて説明したいと思います。

特に重要なのは、労働契約の原則を定めた第3条です。

労働契約法の第3条は以下のように規定しています。

対等の立場での合意

① 労働契約は、労働者及び使用者が対等の立場における合意に基づいて締結し、または変更すべきものとする。

労働契約は、雇う人と働く人の「合意で決めるのが原則」であることと、その合意は「対等の立場に立って」行わなければいけないという二つの根本的ルールを規定しています。

一方的に契約内容を決めてしまったり、雇う側の圧倒的に有利な立場を利用して「従うか辞めるか」を迫るようなことは許されません。

このような合意の原則が守られるようにするため、第4条では

・使用者は、労働条件及び労働契約の内容について労働者の理解を深めるようにすること

・労働契約の内容については、できるかぎり書面により確認すること

も定められています。

(合意のあり方が問題になった具体例についてはこちら⇒給料の一方的減額と労働者の同意~「わかった」とは言ったけれど・・・

公平の理念

② 労働契約は、労働者及び使用者が、就業の実態に応じて均衡を考慮しつつ締結し、または変更すべきものとする。

「公平性」の理念も労働契約の基本原則です。

仕事と生活の調和

③ 労働契約は、労働者及び使用者が仕事と生活の調和にも配慮しつつ締結し、または変更すべきものとする。

このような規定がわざわざ法律に書かれていることを知って驚く人もいるかもしれません。

長時間労働等によって家庭生活その他の人生が犠牲になることがないように、わざわざ設けられた基本ルールです。

(配置転換の事案などで問題になってきます⇒配転命令を拒否できるのか?

信義誠実の原則、権利の濫用の禁止

④ 労働者及び使用者は、労働契約を遵守するとともに、信義に従い誠実に、権利を行使し、義務を履行しなければならない

⑤ 労働者及び使用者は、労働契約に基づく権利の行使に当たっては、それを濫用することがあってはならない。

一般の契約関係でも当てはまることですが、信義を守ること、権利を濫用しないことというのも労働契約の基本ルールです。

トラブルに直面して不利益を受けている時、このような労働契約の基本原則がそもそも破られているかもしれません。

紛争解決のために会社と話し合いをする際、こうした労働契約の基本原則が大いに役立ちます。

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