休業補償給付
仕事上の事由によって怪我をしたり、病気になった場合、働けないことによって賃金の支払いを受けられない期間については、労災保険により休業補償を受けとれます。
具体的には、平均賃金相当額の6割の休業補償給付と、平均賃金相当額の2割の休業特別支給金が支給されますので、あわせて平均賃金相当額の8割の支給を受けられるのです。
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休業保障給付をいつから受けとれるか
では、この休業補償給付(及び休業特別支給金)はいつから受けとれるのでしょうか。
労災保険法では「休業補償給付は、労働者が業務上の負傷又は疾病による療養のため労働することができないために賃金を受けない日の第四日目から支給する」とされています(第14条1項)。
したがって、休業4日目から、というのが答えになりますが、これはあくまでも労災保険による給付についてです。
もともと、労働基準法では労働者が仕事上の事由によって怪我をしたり、病気になった場合、働けないことによって賃金の支払いを受けられない期間について、使用者は、平均賃金の6割の休業補償を行わなければならないと定めています(第76条1項)。
したがって、労災保険ではカバーされていない最初の休業3日間については、直接使用者に対して休業補償を求めることができることができるのです。
休業補償給付をいつまで受けとれるか
では、休業補償給付はいつまで受けとることが出来るのでしょうか。
この点については、上限が定められているわけではなく、休業補償給付の受給要件(①業務上の事由又は通勤による負傷や疾病による療養のため②労働することができないため③賃金をうけていない)を満たす限りは、その期間中は受給できます(休業補償給付を受給している間に退職する場合についてはこちら⇒労災の休業補償期間中に退職する場合と退職後の労災)。
ただし、療養を開始してから1年6ヶ月が経過しても治っておらず、その障害の程度が傷病等級表の傷病等級に該当する場合には、休業補償給付に代えて傷病補償年金が支給されるようになります(労災保険法第12条の8第3項)。
傷病等級表とは、労働者災害補償保険法施行規則の別表2として定められているもので、以下の内容になります。
第一級
一 神経系統の機能又は精神に著しい障害を有し、常に介護を要するもの
二 胸腹部臓器の機能に著しい障害を有し、常に介護を要するもの
三 両眼が失明しているもの
四 そしやく及び言語の機能を廃しているもの
五 両上肢をひじ関節以上で失つたもの
六 両上肢の用を全廃しているもの
七 両下肢をひざ関節以上で失つたもの
八 両下肢の用を全廃しているもの
九 前各号に定めるものと同程度以上の障害の状態にあるもの第二級
一 神経系統の機能又は精神に著しい障害を有し、随時介護を要するもの
二 胸腹部臓器の機能に著しい障害を有し、随時介護を要するもの
三 両眼の視力が〇・〇二以下になつているもの
四 両上肢を腕関節以上で失つたもの
五 両下肢を足関節以上で失つたもの
六 前各号に定めるものと同程度以上の障害の状態にあるもの第三級
一 神経系統の機能又は精神に著しい障害を有し、常に労務に服することができないもの
二 胸腹部臓器の機能に著しい障害を有し、常に労務に服することができないもの
三 一眼が失明し、他眼の視力が〇・〇六以下になつているもの
四 そしやく又は言語の機能を廃しているもの
五 両手の手指の全部を失つたもの
六 第一号及び第二号に定めるもののほか常に労務に服することができないものその他前各号に定めるものと同程度以上の障害の状態にあるもの
この傷病補償年金も、傷病等級に該当する状態が継続している間は、支給が続くことになります。