残業代の未払いを解消した場合にも付加金の支払いを命じられるか




残業代の未払いと付加金

労働者が時間外労働をおこなった場合、使用者は割増賃金を支払わなければいけません。

ところが、使用者が法律に違反してこれを支払わない場合、裁判所は未払い金の他に未払い金と同額の「付加金」の支払いを命ずることができる、とされています(労働基準法114条)。

裁判所が制裁として未払い金の倍額の支払いを命じることができるとすることによって、法律の実効性を高めるための規定です。

訴訟の途中で未払い金を支払った場合

この付加金について、訴訟の途中で会社が未払い金を労働者に支払った場合にも裁判所が支払いを命じることができるのか、という問題があります。

この点が争われた近時の最高裁判例(平成26年3月6日判決)をご紹介したいと思います。

この事案では、第1審で労働者からの残業代請求が認められ、未払金と付加金の支払いを命じる判決が出されました。

これに対して会社は控訴しましたが、控訴審の審理が終結する前に、第1審判決で認められた未払い残業代の全額を労働者に対して支払ったのです。

控訴審判決は、その上でなお会社に付加金の支払いを命じる判決を出しましたが、最高裁は、こうした場合に付加金の支払いを命じることはできないと判断しました。

その理由としては

①付加金の支払義務は、使用者が未払割増賃金等を支払わない場合に当然発生するものではなく、労働者の請求により裁判所が付加金の支払を命ずることによって初めて発生するものである。

②したがって、審理が終結するときまでに使用者が未払割増賃金の支払を完了しその義務違反の状況が消滅したときには、もはや、裁判所は付加金の支払を命ずることができなくなる

とされています。

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