派遣社員と解雇~派遣契約の打ち切りをめぐって~

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派遣社員と解雇

平成23年6月1日時点の派遣労働者数は、約137万人にのぼっています。

前年比で5.8%減少していますが、それでも相当な数です。

派遣で働く人は、派遣元の会社との間で雇用契約を結び、かつ、派遣先の会社からの指揮命令に従って働くという複雑な関係が生じますが、雇用契約が結ばれているのはあくまで雇用元との間ですので、解雇が問題となるのは派遣元との関係です。

派遣契約が打ち切られたことの影響

解雇には、客観的合理的理由と社会的相当性が必要ですが(労働契約法16条)(解雇と解雇理由~どんなときに解雇が許されるのか~)、派遣で働く人が派遣元から解雇される場合についても、当然のことながら、同じように客観的合理的理由と社会的相当性が必要となります。

例えば、派遣元が派遣先から正当な理由もないのに派遣契約を途中で打ち切られ、これを理由に派遣元が労働者を解雇するというような場合がありますが、派遣先から派遣契約を打ち切られたことによって当然に解雇の客観的合理的理由と社会的相当性があるということにはなりません。

仮に派遣元が派遣先からの派遣契約の打ち切りを受け入れるとしても、それを当然に働く人の負担に転化させることはできないのです。

逆にいえば、派遣元はそのことを理解した上で、派遣先からの派遣契約の途中解除を受け入れるか否かを判断すべきということになります。

解雇予告手当

また、解雇を行うためには、原則として少なくとも30日前に予告をするか、30日分以上の平均賃金を支払うことが必要ですが(労働基準法20条)(解雇と解雇予告手当)、派遣で働く人についてもこの規定は適用されます。

したがって、派遣で働く人について、契約を途中で打ち切って解雇するという場合も、解雇予告もしくは予告手当の支払いが必要となります。

「派遣である」というだけで、あたかも労働法上の保護が薄くても構わないかのように考えている会社が一部ありますが、決してそうではないということが十分に理解される必要があります。

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