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派遣社員と解雇




派遣社員と解雇

派遣社員として働いている方の解雇の問題について見てみたいと思います。

派遣社員は、「派遣元」の会社との間で雇用契約を結び、かつ、「派遣先」の会社からの指揮命令に従って働くという複雑な立場にあります。

しかし、雇用契約が結ばれているのはあくまで「派遣元」との間ですので、解雇が問題となるのは「派遣元」との関係です。

解雇予告手当

解雇を行うためには、原則として少なくとも30日前に解雇予告をするか、30日分以上の平均賃金を支払うことが必要ですが、派遣で働く人についても当然この規定は適用されます。

解雇予告や解雇予告手当について、詳しくは以下の記事をご覧ください。
解雇予告をされたら知っておきたいこと

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解雇予告手当が必要な場合とは?

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したがって、派遣で働く人について、契約を途中で打ち切って解雇するという場合も、解雇予告もしくは予告手当の支払いが必要となります。

「派遣である」というだけで、あたかも労働法上の保護が一気に薄まるかのように考えている会社が一部ありますが、決してそうではないということが十分に理解される必要があります。

派遣契約が中途解約された場合

また、解雇には、客観的合理的理由と社会的相当性が必要ですが、派遣で働く人が派遣元から解雇される場合についても、当然のことながら、同じように客観的合理的理由と社会的相当性が必要となります。

なお、解雇が許される客観的合理的理由と社会的相当性の意味については、こちらの記事をご覧ください。
解雇と解雇理由~どんなときに解雇が許されるのか~

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2011.12.13

また、1年契約などの「期間の定めのある雇用契約」について、期間の途中であるにもかかわらず契約を終了させようとするには「やむを得ない事由」が必要となり、さらに厳格に判断されることになりますが(この点について詳しくはこちら≫契約社員と解雇~契約期間途中での解雇と自主退職~)、この点も派遣社員でも同様に当てはまります。

ところで、派遣社員については、派遣期間の途中で、派遣先企業の業績悪化等により派遣元会社と派遣先企業との間の労働者派遣契約が中途解約されてしまう場合があります。

このように労働者派遣契約が中途解約されてしまったという事情は、派遣労働者を派遣期間途中で解雇する「やむを得ない事由」に該当するでしょうか。

派遣先を確保する務め

この点について争われた平成21年7月23日福井地裁決定(仮処分事件)をみてみましょう。

この決定で、裁判所は、派遣先企業の経営状態が悪化したことによって労働者派遣契約が中途解約されたことは、ただちに、派遣元企業が派遣労働者を解雇する「やむを得ない事由」に該当するとは言えない、と判断しました。

つまり、派遣先企業と派遣元企業との間で派遣契約が解約されたからといって、当然に派遣労働者を解雇することはできないとしたのです。

この決定は、派遣労働者が働けないことについて会社に責任があるかという点について触れた部分で、こうも述べています。

  1. 派遣元会社は、派遣先企業の存在があってはじめて派遣労働者に労働の場を提供できることを理解した上で、あえて期間を定める形で労働契約を締結したのである
  2. したがって、派遣会社としては、その契約期間内については派遣先を確保するのが務めである

派遣労働者の地位を不安定にしないために

もう一つ、この点について触れた裁判例(平成21年11月20日広島地裁判決)を見てみます

この判決で、裁判所は、問題となる派遣労働契約は期間の定めのある契約であるから

「期間満了前の労働者の意思に基づかない契約解消は、やむを得ない事由がある場合に限り許される」

としたうえで、遣元会社と派遣先企業との間の労働者派遣契約が中途解約されたことだけでは「やむを得ない事由」と評価すべきではないと判断しました。

この判決は、さらに、期間満了前における契約終了が「やむを得ないもの」であるかの判断にあたっては、派遣元と派遣先を一体とした「使用者側」とみてその事由の有無を検討すべきと述べています。

派遣契約の解消が当然に「やむを得ない事由」に当たるとして期間満了前の派遣労働契約解消が認められることになると派遣労働者の立場は非常に不安定となってしまいます。そのため、裁判所はこれを許さないとしているのです。

なお、不当な解雇がされた時にとるべき行動を知りたいという方はこちらをご覧ください。
「不当解雇された!」と思ったときに知っておくべきこと
解雇通知書を渡されたときにまずしなければいけないこと

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