期間の定めのある契約と雇止め~更新拒否ができる場合、できない場合~

雇いどめに対する規制

あらかじめ雇用期間が決まっている「期間の定めのある契約」の場合、本来であれば、雇用期間が満了すれば、契約は自動的に終了することになります。

ただ、形式的には雇用期間が決まっているといっても、更新手続きがずさんだったり、長期間にわたって更新を繰り返していたり、更新を前提とする制度が存在するなどによって、実質的には期間の定めのない契約と異ならない状態になっているような場合があります。

また、働いている人が更新を期待してもやむを得ないような状況になっている場合もありえます。

こうした場合にまで、形式的に期間の満了によって契約が自動的に終了してしまうというのは不合理です。

そこで、様々な裁判例を通じて、期間の定めのない契約について解雇に客観的合理的理由と社会的相当性が必要とされているのと同じように(解雇と解雇理由~どんな時に解雇が許されるのか~)、期間の定めのある契約の更新拒否についても一定の場合には合理的な理由が要求されるようになりました。

更新拒否に合理的理由が求められる場合

問題は「どのような場合に更新拒否に合理的理由が必要となるのか」ですが、これは、一言でいえば、働いている人が契約の更新を期待することが合理的と言えるか否か?という観点から決められます。

その判断にあたっては、仕事内容が臨時的なものか、これまでに更新された回数や手続き、更新を期待させる言動や制度があったかなどの事情が考慮されます。

したがって、例えば、契約更新の手続きをしないまま満了日を迎えてしまい、後付けで更新書類を作成した時があったり、「特段問題なければ更新するから」など契約更新を期待させるようなことを言われたような場合は後々のためにきちんと詳細なメモを残しておくことが大切です。

また、雇止めを巡って多数の紛争が起こっていることから、紛争を未然に防止するために厚生労働大臣が会社のおこなうべき措置について基準を設けており、そこでは、「使用者は、有期契約の締結時に満了後の更新の有無を明示すること(更新がありうる場合はその判断基準も明示すること)」とされています(平成15・10.22厚労告357)

したがって、契約締結時には、更新があるのかどうか、更新がある場合の判断基準について示してもらい、不明点があればよく確認しておくことが大切です。

★ 雇い止めに関して労働契約法が改正されました!
労働契約法に定められた雇い止めのルール(契約社員の更新拒絶について)

雇い止めでお困りの方へ→弁護士による労働法律相談@名古屋のご案内


shita




併せて知っておきたい

労働条件の明示義務と採用時の説明

解雇・退職と雇用保険

契約社員と解雇~契約期間途中での解雇と自主退職~

労働者派遣契約の中途解約は「やむを得ない事由」にあたるのか?

退職勧奨(退職勧告)が違法となるとき~退職届を出す前に知っておきたいこと


法律相談のご案内

関連記事

会社を退職するとき、解雇されたときに知っておきたいこと(主な記事一覧)

目次 1 退職 2 退職金 3 競業避止義務 4 解雇(普通解雇、整理解雇、懲戒解雇) 5

記事を読む

違法な自宅待機命令~こんな自宅待機命令はありなのか?!

自宅待機が違法となる場合 懲戒解雇処分等が行われる前に処分が決まるまでの間、「自宅待機」を命ぜ

記事を読む

労働基準監督署への申告・相談と不利益取り扱いの禁止

監督機関 会社が労働基準法違反をしているから取り締まってほしいという時に訴える場所としてすぐに

記事を読む

雇い止めのルール|契約社員の更新拒絶と労働契約法

2012年8月10日に労働契約法の一部を改正する法律が公布されましたが、その中で、期間の定めのあ

記事を読む

給料の一方的減額と労働者の同意~「わかった」とは言ったけれど・・・

給料の一方的減額 会社から一方的に給料を下げると言われたというご相談を受けることがあります。

記事を読む

違法な業務命令と損害賠償~それは単なる嫌がらせです~

職場におけるいじめ・嫌がらせ 学校におけるいじめ自殺の問題がマスコミを騒がせていますが、職場に

記事を読む

交通事故を起こして会社の車を壊してしまった場合の修理費用は全額負担すべきなのか?

会社からの損害賠償請求 会社と従業員との間でトラブルが生じたときに、会社が従業員の行為によって

記事を読む

降格処分が無効となるとき

人事上の措置としての降格処分 人事上の措置として役職や職位の引き下げが行われる場合があります。

記事を読む

弁護士に相談するときに気をつけたいこと

① 関係書類を持参すること 弁護士に相談に行く時は、関係する書類等をなるべく持参するようにしてくだ

記事を読む

「賞与支給日に在籍していないから払わない」は通用するか?

支給日在籍要件について 賞与について、就業規則等で「支給日在籍者に対し支給する」と定めている会社が

記事を読む

法律相談のご案内

法律相談のご案内

  • NDP13-162-cd
    名古屋で働く弁護士です。労働トラブルに悩む人を支え、ともに歩く専門家でありたいと思います。
    詳しくはこちら
PAGE TOP ↑