一方的解約と合意解約
よく「退職願」と「退職届」は違うといわれます。
確かに、雇用契約の終了させ方としては、一方的に終了させる場合と、合意で終了させる場合の両方があり、そのため、退職の申し出も、一方的に解約通知をする場合と、合意解約に向けて解約を申し入れる場合の両方がありえます。
前者は、会社に承諾を求めることなく一方的に「雇用契約を終了にします」と宣言するものであるのに対し、後者は会社に対して「雇用契約を終了にしませんか」と申し出るもので、これに対して会社が「そうしましょう」となって初めて契約が終了するのです。
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一方的な解約通知と解約申し入れの区別
もっとも、一方的な解約通知なのか、合意解約に向けた解約申し入れなのかは、単に表題に「退職願」と書くのか、「退職届」と書くのかといった形式的な区別で決まるというわけではありません。
申し出に至った経緯などの全体的な事情に照らして、一方的な解約通知なのか、それとも、合意解約の申し入れなのかが決まってくるのです。
ときどき「退職届を出したのにもう一度退職願を出せと言われた」という話をお聞きすることがあります。
会社がわざわざこのような出し直しを求める背景として何があったのかはよく分かりませんが、「一方的に退職するのはけしからん、退職させて欲しいという願い出にしてくれば、会社からそれを認めてやる」ということなのかもしれません。
円滑に物事が進むに越したことはありませんので、退職願の形にした方が会社として受け入れやすいというのであれば、それに応じれば構わないとは思います。
ただ、それで上手く事が進まないという時には、上述のとおり、退職の申し出に一方的な解約通知と合意解約の申し入れの両方があることを念頭に置いた上で、会社の承諾の有無にかかわらず辞める意思がある場合には、そのことをはっきりとさせておく必要があります。
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