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労働基準監督署に相談するときに知っておきたいこと




労働基準監督署とは何か

会社が労働基準法違反をしているから取り締まってほしいという時に訴える場所として、すぐに思い浮かぶのが労働基準監督署です。

労働基準監督署は、労働基準を定める各法律が守られるようにするために設けられている監督機関で、各都道府県管内に置かれており、「労働基準監督官」と呼ばれる専門の監督行政官がいます。

同じく行政監督機関の一つとして各都道府県には都道府県労働局という部署がありますが、労働基準監督署長は、この都道府県労働局長の指揮監督を受けて、次に説明するような臨検、尋問等をつかさどるとされています(労働基準法99条4項)。

労働基準監督署が持っている権限

労働基準監督官には、事業場等に「臨検し(立ち入り調査をするということです)、帳簿及び書類の提出を求め、使用者に対して尋問を行うことができる」というとても強力な権限が与えられています(労働基準法101条1項)。

また、労働基準法には、違反に対して罰則を定める数多くの規定があります。

例えば、解雇予告手当の支払いを怠った場合には「六箇月以下の懲役又は三十万円以下の罰金」が定められています(労働基準法20条、119条)。

そして、これらの労働基準法に違反する罪については、労働基準監督署官には警察と同様の権限が与えられており(労働基準法102条)、逮捕や捜索差押え等も可能です。

不利益取り扱いの禁止

労働基準法に違反する事実がある場合、労働者には労働基準監督署に申告することが権利として認められています。(労働基準法104条1項)

申告があると、労働基準監督署は申告された内容だけではなく、広く法律違反がないかの調査を行うことになるため、法律違反を重ねているような会社は申告調査を極度に恐れ嫌がりますが、労働基準法は、労働者が安心して申告できるようにするために、会社が労働者の申告を理由として解雇その他不利益な取り扱いをすることを明文で禁じています(労働基準法104条2項)。

(参考⇒内部告発を理由とする解雇・不利益処分は許されるのか

申告・相談にあたって

労働基準監督署は、その性質上、形式的に明確な労働法規違反については積極的に対応してくれますが(例えば明らかな残業代の未払いなど)、解釈に幅があって会社にも一定の言い分があるような問題(例えば解雇の問題)については、「後は弁護士さんに相談してください」とだけ言われてしまうことも多いと思います。

その意味では、労働基準監督署に申告すべき問題かどうかはよく考える必要があります。

また、労働基準監督署や労働基準局内には総合労働相談コーナーが置かれ、社会保険労務士さん等が相談に応じてくれます。

抱えている問題が法律的にどう整理されるのか、必要な情報を得るには有用だと思います。

ただ、こうした相談員と弁護士の一番の違いは、弁護士の場合は、裁判になったらどうなるかを訴訟活動の実際も含めて分かっているため、その見通しを踏まえた戦略的な行動のアドバイスが出来るのに対して、相談員の方は裁判の経験がないため、形式的に法律ではどうなっているのかをレクチャーするのは得意でも、戦略的アドバイスを行うのが苦手だという点です(立場及び性質上、やむを得ないことではありますが)。

こうした違いも踏まえて、抱えている問題に応じて利用の仕方を考える必要もあります。

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