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	<title>裁判例から学ぶ解雇基準</title>
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	<description>裁判例を通して正当な解雇、不当な解雇の判断基準を知る</description>
	<lastBuildDate>Thu, 06 Nov 2025 21:04:48 +0000</lastBuildDate>
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	<item>
		<title>開発センター長に対するセンター廃止やハラスメントなどを理由とする解雇が無効と判断された事例</title>
		<link>https://rodosoudan.net/kaikosaibanrei/archives/1461</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[revon]]></dc:creator>
		<pubDate>Sat, 18 Oct 2025 02:47:12 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[解雇無効]]></category>
		<category><![CDATA[セクハラ・パワハラ]]></category>
		<category><![CDATA[整理解雇]]></category>
		<category><![CDATA[普通解雇]]></category>
		<category><![CDATA[経営上の必要性による解雇]]></category>
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					<description><![CDATA[基本情報 判決日 令和２年１１月２４日 裁判所 東京地裁 判決結果 解雇無効 解雇の種類 普通解雇／整理解雇 解雇理由 経営上の必要性による解雇／セクハラ・パワハラ 事案の概要 原告は、血液製剤の開発を目指す株式会社であ [&#8230;]]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[
<h2 class="wp-block-heading u-mb-ctrl u-mb-20">基本情報</h2>



<figure class="wp-block-table u-mb-ctrl u-mb-20"><table><tbody><tr><th class="has-text-align-left" data-align="left">判決日</th><td>令和２年１１月２４日</td></tr><tr><th class="has-text-align-left" data-align="left">裁判所</th><td>東京地裁</td></tr><tr><th class="has-text-align-left" data-align="left">判決結果</th><td>解雇無効</td></tr><tr><th class="has-text-align-left" data-align="left">解雇の種類</th><td>普通解雇／整理解雇</td></tr><tr><th class="has-text-align-left" data-align="left">解雇理由</th><td>経営上の必要性による解雇／セクハラ・パワハラ</td></tr></tbody></table></figure>



<h2 class="wp-block-heading">事案の概要</h2>



<p>原告は、血液製剤の開発を目指す株式会社である被告と、期間の定めのない労働契約を締結し、被告の京都開発センター長として就労していました。原告の業務内容は、研究業務の推進や京都研究拠点の組織マネジメントのほか、ラボ管理・機器管理などの総務的業務も含まれていました。</p>



<p>ところが、原告の採用から半年も経たない時期に、被告は原告に対し、京都開発センターの廃止を理由に、会社都合で退職するよう勧奨しました。</p>



<p>その後の裁判において、被告は、主位的には原告が退職に合意したと主張し、仮に合意が成立していないとしても、次の理由に基づき原告を普通解雇したと主張しました。</p>



<p class="has-border -border01">1.&nbsp;京都開発センターの廃止。<br><br>2.&nbsp;他の従業員に対するハラスメント</p>



<p class="u-mb-ctrl u-mb-20">これに対し原告は、退職合意は成立しておらず、本件解雇は客観的に合理的な理由を欠き無効であると主張しました。</p>



<h2 class="wp-block-heading u-mb-ctrl u-mb-20">裁判所の判断</h2>



<h3 class="wp-block-heading"><strong>退職合意の成否について</strong></h3>



<p>被告は、退職勧奨時の面談で、取締役が4月末までの在籍を許容すると述べた際、原告が「分かりました。」と回答したことから、退職に合意したのは明らかであると主張しました。</p>



<p>また、合意の成立を裏付ける事実として、原告がその後、京都の職場を離れて東京に戻り転職活動を開始したことや、被告が関係者宛に送信した原告の退職告知メールに異論を述べなかったことなども主張していました。</p>



<p>しかし、裁判所は、仮に「分かりました」という発言があったとしても、「退職は<strong>労働者の生活基盤を失わせる重大な意思表示である</strong>ことに照らすと、それが確定的なものとしてされたのかは<strong>慎重に評価すべき</strong>である」とした上で、次の点を指摘して、この発言をもって退職の合意があったとは言えないとしました。</p>



<p class="has-border -border01">・前後の文脈に照らすと、原告の発言は、被告が5月1日以降の在籍を認めない意思であることを理解したという意味に解することができること。<br><br>・原告が退職勧奨直後から、退職合意書への署名や押印を求められながら、一度もこれに応じなかったこと。</p>



<p class="u-mb-ctrl u-mb-20">また、被告が、退職合意の裏付けとして主張した事実についても、「 原告が速やかに転職活動に着手したことだけでは、原告が確定的に退職に同意していたことを推認するには足りない」などとして、これが合意の裏付けとなることを否定しました。</p>



<h3 class="wp-block-heading u-mb-ctrl u-mb-20">解雇の効力について</h3>



<h4 class="wp-block-heading">&nbsp;<strong>京都開発センターの廃止について</strong></h4>



<p>&nbsp;被告は、京都開発センターの廃止によって、センター長としてなすべきマネージメント業務は消滅したと主張しました。</p>



<p>しかし、裁判所は、次の点を指摘して、これを理由とする解雇は客観的合理的理由を欠き、社会通念上相当とは認められないと判断しました。</p>



<p class="has-border -border01 u-mb-ctrl u-mb-20">・組織変更後も、京都オフィスとラボはそのまま残っており、原告が担当していた研究業務の推進や組織マネジメント業務などは残存していると推認されること。<br><br>・被告の主張は、要するに、従来センター長に担当させていた業務を各部門の部長らに分掌させるというものであり、そうすると、被告は、開発センターのマネジメント業務等を業務内容として原告を採用してから半年も経たないうちに、被告側の理由により<strong>一方的に原告から業務を取り上げ、解雇した</strong>ものといわざるを得ないこと。<br><br>・被告は、このような措置を採らなければならない<strong>合理的必要性を具体的に主張・立証しておらず</strong>、<strong>解雇を回避するための措置を検討した様子もうかがわれない</strong>こと。<br><br>・センター長として採用しておきながら、半年も経過しないうちにセンターの廃止を理由とする退職勧奨をし、これに応じないとして解雇することは、<strong>明らかに信義に反する</strong>こと</p>



<h4 class="wp-block-heading"><strong>ハラスメント（パワハラ・セクハラ）について</strong></h4>



<p>被告は、原告が従業員Cに対し、同人が女性であることを理由にお茶出しを命ずるセクシャルハラスメントを行ったと主張していました。</p>



<p>しかし、裁判所は、「女性であることを理由に業務を命じたと認めるに足りる証拠はない」としました。</p>



<p>また、被告は、原告が、従業員Dに対して「何をしているのか分からない」などと述べるパワーハラスメントを行ったとも主張していました。</p>



<p class="u-mb-ctrl u-mb-20">しかし、裁判所は、これを裏付ける証拠はないし、仮にこれに類した発言があったとしても、「前後の文脈は不明でパワーハラスメントと評価できるような発言があったとは言えない」としました。</p>



<h4 class="wp-block-heading">結論</h4>



<p>以上により、裁判所は、本件解雇を<strong>無効</strong>と結論づけました。</p>



<h2 class="wp-block-heading">あわせて読むと理解が深まる記事</h2>



<p class="u-mb-ctrl u-mb-20">解雇がどのような場合に認められるのかをまとめています。<br>⇒<a href="https://rodosoudan.net/blog-entry-8.html">許される解雇理由とは？無効となるケースと判断基準を徹底解説</a></p>
]]></content:encoded>
					
		
		
			</item>
		<item>
		<title>業務命令を拒否する研究所員に対して「研究所員としての能力を著しく欠く」としてなされた普通解雇が有効と判断された事例</title>
		<link>https://rodosoudan.net/kaikosaibanrei/archives/1387</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[revon]]></dc:creator>
		<pubDate>Tue, 07 Oct 2025 21:41:21 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[解雇有効]]></category>
		<category><![CDATA[成績不良・能力不足]]></category>
		<category><![CDATA[普通解雇]]></category>
		<category><![CDATA[業務命令違反]]></category>
		<guid isPermaLink="false">https://rodosoudan.net/kaikosaibanrei/?p=1387</guid>

					<description><![CDATA[基本情報 判決日 令和２年１１月２４日 裁判所 名古屋地裁 判決結果 解雇有効 解雇の種類 普通解雇 解雇理由 業務命令違反／成績不良・能力不足 事案の概要 本件は、グループ会社９社の共同出資によって設立された研究所（被 [&#8230;]]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[
<h2 class="wp-block-heading">基本情報</h2>



<figure class="wp-block-table u-mb-ctrl u-mb-20"><table><tbody><tr><th class="has-text-align-left" data-align="left">判決日</th><td>令和２年１１月２４日</td></tr><tr><th class="has-text-align-left" data-align="left">裁判所</th><td>名古屋地裁</td></tr><tr><th class="has-text-align-left" data-align="left">判決結果</th><td>解雇有効</td></tr><tr><th class="has-text-align-left" data-align="left">解雇の種類</th><td>普通解雇</td></tr><tr><th class="has-text-align-left" data-align="left">解雇理由</th><td>業務命令違反／成績不良・能力不足</td></tr></tbody></table></figure>



<h2 class="wp-block-heading"><strong>事案の概要</strong></h2>



<p>本件は、グループ会社９社の共同出資によって設立された研究所（被告会社）に研究系所員として勤務していた原告が、被告会社から受けた普通解雇の有効性を争った事案です。</p>



<p>原告は平成4年に被告会社に採用され、その後、人間関係のトラブルを理由に数年ごとに異動を繰り返しながら、研究開発、研究管理、企画業務などに従事してきました。</p>



<p>平成28年3月頃、原告は、上司から指示された研究業務である「情報・数理科学に関する国内外研究の諸動向調査」に対し、会社によるハラスメントや不公正な扱いが背景にある主張として異議を申し立て、業務への従事を拒否しました。</p>



<p>これに対し、被告会社は「原告の主張するコンプライアンス違反等はない」と説明し、業務指示に従うよう求めましたが、原告は応じませんでした。</p>



<p>被告会社は、こうした業務命令違反などを理由として、同年7月に戒告処分を行いました。</p>



<p>しかし、原告はその後も新たに指示された業務（報告書調査）を行わず、代わりに被告会社に対する不満や批判をまとめた「職場環境改善活動」と題するメモを提出するようになりました。さらに、行き先を表示せずに離席して図書室で過ごすことを繰り返し、産業医との面談を求められても拒否しました。</p>



<p>被告会社は、指示した業務に従わないこと等を理由に、同年11月に3日間の出勤停止処分を行いました。</p>



<p class="u-mb-ctrl u-mb-20">しかし原告は、出勤停止処分後も指示された業務を拒み続け、「職場環境改善活動」と称する独自の活動を継続しました。</p>



<p class="u-mb-ctrl u-mb-20">被告会社は繰り返し業務指示に従うよう指導を行い、翌年3月には再度報告書調査の期限を設定して警告書を送付しましたが、原告は態度に変化はありませんでした。<br><br>最終的に、被告会社は、原告の態度が改善せず、配置転換による改善も期待できないとして、平成29年3月30日付で原告を普通解雇しました。</p>



<p class="u-mb-ctrl u-mb-20">これに対し原告は、「解雇権の濫用であり無効である」と主張しました。</p>



<h2 class="wp-block-heading"><strong>裁判所の判断</strong></h2>



<p>裁判所は、以下の点を考慮すると、「<strong>解雇時の部署で正常に業務に従事することは期待でできず、また、配置転換による改善も期待できない</strong>」として、「研究所員としての能力を著しく欠くとき」などの解雇事由に該当する客観的合理的があり、社会通念上の相当性もあるとしました。</p>



<p class="has-border -border01">・被告会社による継続的な指導と段階的な処分にも関わらず、原告は、自己の主張に固執して、指示された業務への従事を頑なに拒み続けてきたこと<br><br>・原告が人間関係を原因として異動を繰り返してきたこと</p>



<p>その中で、裁判所は、「<strong>原告がハラスメント等の通報を行うためであれば、指示された業務を遂行しないことが当然に正当化されるものではない</strong>」とも指摘しています。</p>



<p>原告は、「上司らの継続的な就業規則違反、社内規則違反、労働法規違反や倫理違反により不利益な扱いを受け続け、内部通報を見過ごし続けられ、弾圧を受けていたため、総務部長の許可を得て、不満や批判を書き記す行動をしていた」と主張していました。</p>



<p>しかし、裁判所は、「上司の行動が企業倫理や法令に違反していたと認めるに足りる証拠はなく、仮に問題があったとしても、それだけでその上司の下で業務に従事させることが不当とはいえない」としました。</p>



<p>そして、原告が不服等の申し立てには理由があるとは認められず、被告会社は、そのことを原告に説明しており、原告のいう「内部通報を無視した」とはいえないとしました。</p>



<p>さらに、被告会社が産業医との面談を命じたことについても、原告が執拗に不服や批判を繰り返し、指示された業務を頑なに拒否し続けていた状況を考慮すれば、何らかの疾病があることを懸念して面談を求めたものであり、不合理ではなく指揮命令権限の濫用にはあたらないとしました。</p>



<p>以上により、裁判所は本件解雇を<strong>有効</strong>と結論づけました。</p>



<h2 class="wp-block-heading">あわせて読むと理解が深まる記事</h2>



<p class="u-mb-ctrl u-mb-20">解雇がどのような場合に認められるのかをまとめています。<br>⇒<a href="https://rodosoudan.net/blog-entry-8.html">許される解雇理由とは？無効となるケースと判断基準を徹底解説</a></p>



<p class="u-mb-ctrl u-mb-20"><br></p>
]]></content:encoded>
					
		
		
			</item>
		<item>
		<title>大学教授に対する、在外研究期間中の無断滞在及びPC紛失、入試当日の欠勤を理由とする懲戒解雇が無効と判断された事例</title>
		<link>https://rodosoudan.net/kaikosaibanrei/archives/1379</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[revon]]></dc:creator>
		<pubDate>Sat, 04 Oct 2025 21:51:23 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[解雇無効]]></category>
		<category><![CDATA[情報漏洩]]></category>
		<category><![CDATA[懲戒解雇]]></category>
		<category><![CDATA[欠勤・遅刻・早退]]></category>
		<category><![CDATA[虚偽報告・不当請求]]></category>
		<guid isPermaLink="false">https://rodosoudan.net/kaikosaibanrei/?p=1379</guid>

					<description><![CDATA[基本情報 判決日 令和２年１０月２６日 裁判所 名古屋地裁 判決結果 解雇無効 解雇の種類 懲戒解雇 解雇理由 虚偽報告・不当請求／情報漏洩／欠勤・遅刻・早退 事案の概要 本件は、乙大学を設置する被告学校法人甲学園が、総 [&#8230;]]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[
<h2 class="wp-block-heading">基本情報</h2>



<figure class="wp-block-table u-mb-ctrl u-mb-20"><table><tbody><tr><th>判決日</th><td>令和２年１０月２６日</td></tr><tr><th>裁判所</th><td>名古屋地裁</td></tr><tr><th>判決結果</th><td>解雇無効</td></tr><tr><th>解雇の種類</th><td>懲戒解雇</td></tr><tr><th>解雇理由</th><td>虚偽報告・不当請求／情報漏洩／欠勤・遅刻・早退</td></tr></tbody></table></figure>



<h2 class="wp-block-heading">事案の概要</h2>



<p>本件は、乙大学を設置する被告学校法人甲学園が、総合政策学部の教授であり、学部長も務めていた原告に対して行った懲戒解雇の有効性が争われた事案です。</p>



<p>被告学園は、懲戒解雇の理由として、以下の3点を挙げました。</p>



<p>1.&nbsp;<strong>在外研究事案：</strong>&nbsp;原告が、承認されていた韓国の延世大学での在外研究期間（1年間）のうち、約6か月間を無断で韓国を離れてハワイに滞在していた。</p>



<p>2.&nbsp;<strong>PC紛失事案：</strong>&nbsp;原告が、ゼミ履修者121名分など学生の個人情報が記録された私有パソコンを紛失した。</p>



<p>3.&nbsp;<strong>入試欠勤事案：</strong>&nbsp;原告が、入学試験において、学部長として待機出勤義務があるにもかかわらず欠勤した。</p>



<p class="u-mb-ctrl u-mb-20">これに対して原告は、在外研究期間中にハワイに滞在した事実、PC紛失の事実、入試日に出勤しなかった事実は認めたものの、懲戒解雇の客観的合理的理由にはあたらず、社会通念上相当ではないと主張。また、手続上の瑕疵もあるとして、懲戒解雇の無効を主張しました。</p>



<h2 class="wp-block-heading u-mb-ctrl u-mb-20">裁判所の判断</h2>



<h3 class="wp-block-heading u-mb-ctrl u-mb-20">懲戒解雇事由の該当性</h3>



<h4 class="wp-block-heading">在外研究事案</h4>



<p>裁判所は、次の理由により、原告の行為が「<strong>学校法人の規則又は規程を無視し，又は上司の指示に違反して法人の秩序を乱したとき</strong>」との懲戒事由に該当すると判断しました。</p>



<p class="has-border -border01">• <strong>研究計画の変更手続の不履行</strong>：長期間にわたる研究計画の変更は規程が定める「著しい変更」に該当するが、原告は変更手続を一切経ていなかったこと。<br><br>• <strong>兼職の禁止違反</strong>：原告は、学長の許可なく、延世大学で、報酬を受ける前提で学生への単位付与の対象となる講義を行っており、<strong>兼職の禁止</strong>に抵触することが明らかであること</p>



<p>一方で、原告はハワイ大学韓国研究センターにおいて研究活動を行っており、<span class="swl-marker mark_orange">研究活動を放棄していたとは認められない</span>として、<strong>無届欠勤</strong>には該当しないとしました。</p>



<p>また、原告が研究計画の変更手続を怠ったことにより、<span class="swl-marker mark_orange">被告学園の業務にいかなる支障が生じたのかが明らかではない</span>として、「<strong>職務に関する諸手続を怠ったことにより，又は偽ったことにより業務に著しく支障が生じたとき</strong>」との懲戒事由には該当しないとしました。</p>



<p>&nbsp;さらに、裁判所は、次の点を指摘して、<strong>金品詐取等</strong>や<strong>刑罰法規違反</strong>の懲戒事由にも該当しないとしました。</p>



<p class="has-border -border01 u-mb-ctrl u-mb-20">原告は、ハワイ滞在中も研究活動に従事しており、その限りで、<span class="swl-marker mark_orange">内外研究員規定の趣旨及び目的に反するところはない</span>こと。<br><br>原告は、研究計画の変更手続を経ていれば、物価水準の高い米国滞在のため、より高額な在外研究費を得られたはずなのに、それをしていないにとどまるから、被告学園に<span class="swl-marker mark_orange">経済的な損失が発生したとは言えない</span>こと。<br><br>原告に不法な経済的利益を領得しようとする動機や意思が認められず、手続懈怠を被告学園に対する欺罔行為と評価することはできないこと</p>



<h4 class="wp-block-heading">&nbsp;&nbsp;&nbsp;<strong>PC紛失事案</strong></h4>



<p>被告学園は、原告がゼミ履修者121名分など学生の個人情報が記録された私有のパソコンを紛失したことについて「<strong>学校法人の規則又は規程を無視し，又は上司の指示に違反して法人の秩序を乱したとき</strong>」との懲戒事由に該当すると主張しましたが、裁判所は、次の点を指摘して、これを認めませんでした。</p>



<p class="has-border -border01 u-mb-ctrl u-mb-20">• 私有PCの紛失自体は<span class="swl-marker mark_orange">過失による</span>ものであって、被告学園の何らかの規則又は規程を無視し、あるいは上司の指示に違反したものであるとはいえないこと<br><br>• 原告はPCにパスワード設定をして個人情報漏洩について<span class="swl-marker mark_orange">保護対策を講じていた</span>こと<br><br>・実際に個人情報が<span class="swl-marker mark_orange">悪用されたという事案も発生していない</span>こと</p>



<h4 class="wp-block-heading">入試欠勤事案</h4>



<p>裁判所は、&nbsp;原告が、入学試験において、学部長として待機出勤義務があるにもかかわらず欠勤したことについて、上司の指示に違反して被告学園の秩序を乱したとの評価を免れないとして、「<strong>学校法人の規則又は規程を無視し，又は上司の指示に違反して法人の秩序を乱したとき</strong>」との懲戒事由に該当するとしました。</p>



<p class="u-mb-ctrl u-mb-20">一方で、これにより、入学試験の遂行上何らかの不都合が生じたとう事実は認められないとして、「<strong>職務に関する諸手続を怠ったことにより，又は偽ったことにより業務に著しく支障が生じたとき</strong>」との懲戒事由には該当しないと判断しました。</p>



<h3 class="wp-block-heading">解雇の効力</h3>



<p>以上のとおり、裁判所は、在外研究事案と入試欠勤事案について、「<strong>学校法人の規則又は規程を無視し，又は上司の指示に違反して法人の秩序を乱したとき</strong>」との懲戒事由に該当するとしました。</p>



<p>しかし、次の点からすると、その<span class="swl-marker mark_orange">違反の程度は、原告の職を失わせるに足りるほど深刻または重大なものではなかった</span>としました。</p>



<p class="has-border -border01">原告は、ハワイ大学韓国研究センターにおいて研究活動に従事していたため、その限りで、<span class="swl-marker mark_orange">内外研究員規程の趣旨および目的に反するものではない</span>こと<br><br>在外研究事案によって被告学園に<span class="swl-marker mark_orange">経済的な損失が発生しているとはいえない</span>こと<br><br>原告が問題点を指摘されるや、速やかに理事長に対して謝罪の手紙を送付し、これに対し、 理事長も「今後を戒める趣旨」のメールを送付するにとどまり、原告は内外研究員の資格をはく奪されることなく、その後<span class="swl-marker mark_orange">約2年間にわたり問題とされていなかった</span>こと。<br><br>原告が入試当日に出勤しなかったことによって、被告学園の入学試験の遂行上<span class="swl-marker mark_orange">何らかの不都合が生じたという事実は認められない</span>こと</p>



<p>さらに、裁判所は、次の点も指摘し、これらを併せて考えると、本件懲戒解雇は客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められないから無効であると結論づけました。</p>



<p class="has-border -border01">•&nbsp;本件の各事案が<span class="swl-marker mark_orange">時間的に相当な間隔を置いて発生</span>しており、原告が懲戒事由に該当する事実を頻繁に惹起していたとは評価できないこと<br><br>•&nbsp;原告には<span class="swl-marker mark_orange">過去に懲戒処分を受けた経歴がない</span>こと</p>



<p class="is-style-icon_pen u-mb-ctrl u-mb-20">原告に一定の問題行為が認められた事案でしたが、裁判所は、まず懲戒解雇事由の該当性について一つ一つ丁寧に検討をして、限定的に認定しました。<br><br>この点は、問題行為があったときに安易に懲戒事由に該当すると判断することの危険性を示していると言えます。（このような懲戒事由該当性の判断については、<a href="https://rodosoudan.net/blog-entry-chokaikaishaku.html">懲戒解雇事由に当たるのはどんな場合？｜就業規則・裁判例でみる判断基準</a>でも解説していますので、ご覧ください）<br><br>その上で、行為の結果などに鑑みて、違反の程度についても慎重に検討し、懲戒解雇無効との結論を導いている点も注目したいところです。<br></p>
]]></content:encoded>
					
		
		
			</item>
		<item>
		<title>大学教授に対する学生への学長批判発言及び虚偽陳述等を理由とする懲戒解雇について「重きに失する」として無効と判断した事例</title>
		<link>https://rodosoudan.net/kaikosaibanrei/archives/1376</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[revon]]></dc:creator>
		<pubDate>Wed, 01 Oct 2025 21:48:28 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[解雇無効]]></category>
		<category><![CDATA[懲戒解雇]]></category>
		<category><![CDATA[虚偽報告・不当請求]]></category>
		<category><![CDATA[誹謗中傷]]></category>
		<guid isPermaLink="false">https://rodosoudan.net/kaikosaibanrei/?p=1376</guid>

					<description><![CDATA[基本情報 判決日 令和２年１０月１５日 裁判所 東京地裁 判決結果 解雇無効 解雇の種類 懲戒解雇 解雇理由 誹謗中傷／虚偽報告・不当請求 事案の概要 （本件は原告が2名いましたが、ここでは懲戒解雇の効力が問題となったX [&#8230;]]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[
<h2 class="wp-block-heading">基本情報</h2>



<figure class="wp-block-table u-mb-ctrl u-mb-20"><table><tbody><tr><th class="has-text-align-left" data-align="left">判決日</th><td>令和２年１０月１５日</td></tr><tr><th class="has-text-align-left" data-align="left">裁判所</th><td>東京地裁</td></tr><tr><th class="has-text-align-left" data-align="left">判決結果</th><td>解雇無効</td></tr><tr><th class="has-text-align-left" data-align="left">解雇の種類</th><td>懲戒解雇</td></tr><tr><th class="has-text-align-left" data-align="left">解雇理由</th><td>誹謗中傷／虚偽報告・不当請求</td></tr></tbody></table></figure>



<h2 class="wp-block-heading">事案の概要</h2>



<p>（本件は原告が2名いましたが、ここでは懲戒解雇の効力が問題となったX2について取り上げます）</p>



<p>原告X2はA大学文学部の教授の地位にあった労働者で、被告法人はA大学を設置・運営する学校法人です。</p>



<p>被告法人は、原告X2に対し、懲戒解雇を行いました。解雇理由は以下の3点です。</p>



<p>1.&nbsp;<strong>解雇理由①（発言）</strong>：卒論研修の際、参加した学生28名に対し、「B先生は今回の件で学長に殺されたと思っている」、「Cゼミの4年生と3年生は学長に捨てられた」など、学長である被告Y1の名誉を毀損し、大学への不信感や不安感を与える発言をしたこと。</p>



<p>2.&nbsp;<strong>解雇理由②（虚偽の陳述）</strong>：その後の事情聴取や聴聞会において、解雇理由①の発言の有無を確認されたのに対し、そのような発言はしていないと虚偽の陳述をしたこと。</p>



<p>3.&nbsp;<strong>解雇理由③（成績評価の変更）</strong>：他の教員が主査を務める学生の卒業論文の成績評価を、主査の承諾を得ずに変更したこと。</p>



<p class="u-mb-ctrl u-mb-20">原告X2は、「いずれも懲戒事由に当たらない」「仮に当たるとしても懲戒解雇は重きに失し無効である」と主張しました。</p>



<h2 class="wp-block-heading u-mb-ctrl u-mb-20">裁判所の判断</h2>



<h3 class="wp-block-heading u-mb-ctrl u-mb-20"><strong>懲戒事由該当性</strong></h3>



<h4 class="wp-block-heading">解雇理由①（発言）</h4>



<p class="u-mb-ctrl u-mb-20">裁判所は、&nbsp;発言は、学長である被告Y1の社会的評価を低下させ、大学の名誉と信頼を傷つける行為であり、教員規則に定める懲戒事由（教員としてふさわしくない行為を行い、学園の名誉若しくは信用を傷つけたとき等<strong><strong>）</strong></strong>に該当するとしました。</p>



<h4 class="wp-block-heading">解雇理由②（虚偽の陳述）</h4>



<p class="u-mb-ctrl u-mb-20">&nbsp;裁判所は、解雇理由②の陳述は、原告X2が発言の事実を認識しながら故意に否定したものであり、教員規則に定める懲戒事由（教員としてふさわしくない行為を行い、学園の名誉若しくは信用を傷つけたとき等<strong><strong>）</strong></strong>に該当するとしました。</p>



<h4 class="wp-block-heading">解雇理由③成績評価の変更</h4>



<p class="u-mb-ctrl u-mb-20">&nbsp;裁判所は、解雇理由③の成績評価の変更については、東洋史学専攻において専任教員全員による判定会議で成績評価を行う方法が慣習的に行われており、成績評価の権限を学長から委任されている科目担当教員も、このような決定方法をとることを了解し、かつ、結論としての成績評価を承諾していたと認められるとして、大学の諸規則に違反した行為があるとは認められないとしました。</p>



<h3 class="wp-block-heading"><strong>解雇の相当性</strong></h3>



<p>&nbsp;裁判所は、次の点を指摘して、解雇理由①および②の<strong>規律違反は重大であるとまではいえない</strong>としました。</p>



<p class="has-border -border01">・解雇理由①の発言は、学生に不信感・不安感を与える内容であったが、研修に参加した28名の学生の面前という限定された場面での発言であって、伝播性は低く、<span class="swl-marker mark_orange">被告法人の一般的な信用を毀損するおそれは小さい</span>こと<br><br>・解雇理由②の虚偽の陳述は、被告法人が既に発言の録音データを保有していたことから、<span class="swl-marker mark_orange">被告法人の業務に支障をきたすものではない</span>こと。</p>



<p class="u-mb-ctrl u-mb-20">&nbsp;そして、原告X2には、過去に懲戒処分を受けたことがないことを考慮すれば、原告X2を解雇とすることは<strong>重きに失し、社会的相当性を欠く</strong>としました。</p>



<h3 class="wp-block-heading">結論</h3>



<p class="u-mb-ctrl u-mb-20">以上により、裁判所は本件懲戒解雇を無効と結論づけました。</p>



<h2 class="wp-block-heading">あわせて読むと理解が深まる記事</h2>



<p class="u-mb-ctrl u-mb-20">懲戒解雇がどのような場合に認められるかをまとめています。<br>⇒<a href="https://rodosoudan.net/blog-entry-126.html">懲戒解雇されそうなときに知っておきたい法律知識と今すぐできる対処法</a></p>
]]></content:encoded>
					
		
		
			</item>
		<item>
		<title>営業職社員に対する事業所への立入禁止命令違反、誹謗中傷、パソコンの不返還などを理由とする普通解雇および懲戒解雇が無効と判断された事例</title>
		<link>https://rodosoudan.net/kaikosaibanrei/archives/1369</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[revon]]></dc:creator>
		<pubDate>Wed, 01 Oct 2025 13:55:55 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[解雇無効]]></category>
		<category><![CDATA[勤務態度不良・協調性欠如]]></category>
		<category><![CDATA[懲戒解雇]]></category>
		<category><![CDATA[普通解雇]]></category>
		<category><![CDATA[業務命令違反]]></category>
		<category><![CDATA[着服・横領]]></category>
		<guid isPermaLink="false">https://rodosoudan.net/kaikosaibanrei/?p=1369</guid>

					<description><![CDATA[基本情報 判決日 令和２年１０月１日 裁判所 大阪地裁 判決結果 解雇無効 解雇の種類 普通解雇／懲戒解雇 解雇理由 勤務態度不良・協調性欠如／業務命令違反／誹謗中傷／着服・横領 事案の概要 被告は、靴・鞄・皮革製品の製 [&#8230;]]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[
<h2 class="wp-block-heading">基本情報</h2>



<figure class="wp-block-table u-mb-ctrl u-mb-20"><table><tbody><tr><th class="has-text-align-left" data-align="left">判決日</th><td>令和２年１０月１日</td></tr><tr><th class="has-text-align-left" data-align="left">裁判所</th><td>大阪地裁</td></tr><tr><th class="has-text-align-left" data-align="left">判決結果</th><td>解雇無効</td></tr><tr><th class="has-text-align-left" data-align="left">解雇の種類</th><td>普通解雇／懲戒解雇</td></tr><tr><th class="has-text-align-left" data-align="left">解雇理由</th><td>勤務態度不良・協調性欠如／業務命令違反／誹謗中傷／着服・横領</td></tr></tbody></table></figure>



<h2 class="wp-block-heading">事案の概要</h2>



<p>被告は、靴・鞄・皮革製品の製造・販売などを営む株式会社です。<br>原告は被告に入社以来、営業職に従事していました。</p>



<p>平成29年8月、被告の創業者で全株式を保有していたA1氏の代理人弁護士は、代表取締役であった配偶者B1氏に対し、原告とＢ１が不貞関係にあると指摘をした上で、「B1氏が代表取締役を辞任し原告が退職すれば、以後、生活費として月額４５万円を支払う」と告げました。</p>



<p>B1氏は生活費確保のため、この条件を受け入れざるを得ないと考え、原告に対し、実際には退職の意思がないにもかかわらず、退職届を作成するよう依頼しました。</p>



<p>原告はB1氏の依頼に応じて「退職届」を提出しましたが、翌日には、退職の意思がないことを明示するため「復職願」も提出しました。</p>



<p>その後、B1氏は代表取締役を解任され、代わってC1氏（B1氏の実弟）が就任しました。</p>



<p class="u-mb-ctrl u-mb-20">被告は、その後、原告に対して就業規則上の「組織不適応」や「その他やむを得ない事由」を理由に普通解雇を通知しました。</p>



<p class="u-mb-ctrl u-mb-20">さらに、その後、暴行・脅迫、業務命令違反、会社物品・金銭の着服などを理由に懲戒解雇の意思表示も行いました。</p>



<h2 class="wp-block-heading">裁判所の判断</h2>



<p class="u-mb-ctrl u-mb-20">裁判所は、退職届について、「原告の真意に基づくものではなく、そのことは当時被告の代表取締役であったB１も知っていた」として、その効力を否定しました。そのうえで、解雇の有効性について次のように判断しました。</p>



<h3 class="wp-block-heading u-mb-ctrl u-mb-20">普通解雇の効力</h3>



<h4 class="wp-block-heading">事務所への立ち入り</h4>



<p>被告は、原告が、事務所への立入禁止命令に反して、複数回事務所に立ち入ったことを普通解雇事由として主張しました。</p>



<p class="u-mb-ctrl u-mb-20">しかし、裁判所は、事務所への<span class="swl-marker mark_orange">立入禁止は労働契約終了を前提とするもの</span>であることや、<span class="swl-marker mark_orange">短時間の立ち入りの態様</span>に照らすと、解雇を正当化するほどの命令違反とは言えないとしました。</p>



<h4 class="wp-block-heading u-mb-ctrl u-mb-20">誹謗中傷メールの送信</h4>



<p>裁判所は、原告が、代表取締役C1に関して</p>



<p class="has-border -border01">・横領行為や詐欺まがい行為を行った旨のメール<br>・「アホ」「サイコパス」であるかのように指摘するメール<br>・C１を告訴したとのメール<br>・被告の業務の問題について労基署や税務署に取り上げさせる旨のメール</p>



<p>などを送信した事実を認めました。</p>



<p>しかし、裁判所は、横領に関する指摘については、C１に対する賞与の支給や貸付けは、被告の適正な意思決定を経たものではない<span class="swl-marker mark_orange">不正行為であるとの疑いを差し挟む余地がある</span>から、根拠のない指摘をしたものではなく、<span class="swl-marker mark_orange">メールの内容自体が職場規律を著しく乱すものとは言えない</span>、としました。</p>



<p class="u-mb-ctrl u-mb-20">その他のメールについても、不穏当な内容ではあるものの、C1らの役員としての資質を問う趣旨とも理解でき、解雇が行われるまでの事実経過に照らすと重大な職場規律違反があったとまでは言えないとしました。</p>



<h4 class="wp-block-heading">不貞行為</h4>



<p class="u-mb-ctrl u-mb-20">被告が主張する原告とB1との不貞関係については、不貞関係があった事実自体を認めませんでした。</p>



<h4 class="wp-block-heading">普通解雇は無効</h4>



<p class="u-mb-ctrl u-mb-20">以上により、裁判所は普通解雇を無効と判断しました。</p>



<h3 class="wp-block-heading">懲戒解雇の効力</h3>



<p>被告は、原告が、複数回パソコンの返還を求められたにも関わらず、これに応じなかったことを懲戒解雇事由の一つとして主張していました。</p>



<p>しかし、裁判所は、原告は<span class="swl-marker mark_orange">退職していないことを示す目的</span>で返還を拒んだと考えられること、また退職届提出の経緯を踏まえると、返還拒否が<span class="swl-marker mark_orange">企業秩序を著しく乱すものとはいえない</span>と判断しました。</p>



<p class="u-mb-ctrl u-mb-20">そして、懲戒解雇についても無効と結論付けました。</p>



<p class="is-style-icon_pen u-mb-ctrl u-mb-20">この事案は、親族間の対立という特殊な背景事情を含んでいましたが、裁判所はその経過を丁寧に踏まえたうえで、職場規律に与える実際上の影響などを検討し、解雇を無効と判断しました。<br><br>形式的に軽微な問題を捉えて解雇に踏み切ることは許されない、という点を改めて示した事例といえます。</p>



<h2 class="wp-block-heading">あわせて読むと理解が深まる記事</h2>



<p class="u-mb-ctrl u-mb-20">解雇がどのような場合に認められるのかをまとめています。<br>⇒<a href="https://rodosoudan.net/blog-entry-8.html">許される解雇理由とは？無効となるケースと判断基準を徹底解説</a></p>



<p class="u-mb-ctrl u-mb-20">懲戒解雇がどのような場合に認められるかをまとめています。<br>⇒<a href="https://rodosoudan.net/blog-entry-126.html">懲戒解雇されそうなときに知っておきたい法律知識と今すぐできる対処法</a><br></p>
]]></content:encoded>
					
		
		
			</item>
		<item>
		<title>３度にわたる試用期間延長後になされた本採用拒否について、試用期間延長が無効とされ、普通解雇としても無効と判断された事例</title>
		<link>https://rodosoudan.net/kaikosaibanrei/archives/1299</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[revon]]></dc:creator>
		<pubDate>Sat, 06 Sep 2025 22:54:27 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[解雇無効]]></category>
		<category><![CDATA[勤務態度不良・協調性欠如]]></category>
		<category><![CDATA[成績不良・能力不足]]></category>
		<category><![CDATA[本採用拒否]]></category>
		<category><![CDATA[業務命令違反]]></category>
		<guid isPermaLink="false">https://rodosoudan.net/kaikosaibanrei/?p=1299</guid>

					<description><![CDATA[基本情報 判決日 令和２年９月２８日 裁判所 東京地裁 判決結果 解雇無効 解雇の種類 本採用拒否（普通解雇としても無効） 解雇理由 成績不良・能力不足／勤務態度不良・協調性欠如／業務命令違反 試用期間の延長 試用期間満 [&#8230;]]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[
<h2 class="wp-block-heading">基本情報</h2>



<figure class="wp-block-table u-mb-ctrl u-mb-20"><table><tbody><tr><th class="has-text-align-left" data-align="left">判決日</th><td>令和２年９月２８日</td></tr><tr><th class="has-text-align-left" data-align="left">裁判所</th><td>東京地裁</td></tr><tr><th class="has-text-align-left" data-align="left">判決結果</th><td>解雇無効</td></tr><tr><th class="has-text-align-left" data-align="left">解雇の種類</th><td>本採用拒否（普通解雇としても無効）</td></tr><tr><th class="has-text-align-left" data-align="left">解雇理由</th><td>成績不良・能力不足／勤務態度不良・協調性欠如／業務命令違反</td></tr></tbody></table></figure>



<h2 class="wp-block-heading">試用期間の延長</h2>



<p>試用期間満了時に、本採用すべきかどうか判断がつかず、試用期間の延長が行われることがあります。</p>



<p>労働者からしてみると、直ちに本採用拒否されるよりはマシという側面もありますが、試用期間という不安定な状態が継続する措置でもあります。</p>



<p>そこで、このような試用期間の延長がどのように場合に許されるのかが問題となります。</p>



<p class="u-mb-ctrl u-mb-20">ここでは、試用期間の延長の効力が争われた事例をとりあげます。</p>



<h2 class="wp-block-heading"><strong>事案の概要</strong></h2>



<p> 原告は、産業用機械の制作・販売等を行う株式会社である被告と、3ヶ月間の試用期間を含む雇用契約を締結しました。被告は、この試用期間を１ヶ月ごとに3回延長し、合計6ヶ月間としました。その後、被告は原告に対し、本採用を拒否（解雇）する旨の意思表示を行いました。</p>



<p>被告は、本採用拒否の理由として、指示に対して「研修で教わっていない」と述べるなど業務指示あるいは意見に従わないこと、業務に対する知識や理解度、意欲に欠けること、コミュニケーション能力の不足などを挙げました。</p>



<p class="u-mb-ctrl u-mb-20">これに対し原告は、試用期間の延長は就業規則に延長の定めがなく無効であること、被告が不当な目的で延長を繰り返したことなどを主張しました。さらに、本件解雇は客観的合理的理由を欠き、社会通念上相当ではないため無効であると主張しました。</p>



<h2 class="wp-block-heading u-mb-ctrl u-mb-20">試用期間延長の効力について</h2>



<h3 class="wp-block-heading">試用期間の延長が許されるための条件</h3>



<p>本件では、雇用契約及び被告の就業規則には試用期間の延長に関する明確な規定がありませんでした。</p>



<p>裁判所は、試用期間の延長は労働者を不安定な地位に置くことになるから根拠が必要とし、労働者の同意もその根拠となるとしながらも、そのためには次の条件を満たす必要があるとしました。</p>



<p class="has-border -border01">・職務能力や適格性について調査を尽くしたが、さらに調査を尽くして適格性等を見極める必要がある場合などの<strong>やむを得ない事情</strong>があること<br><br>・<strong>調査を尽くす目的</strong>で行われること<br><br>・<strong>必要最小限度の期間</strong>を設定すること。</p>



<p class="u-mb-ctrl u-mb-20">そして、これらの条件を満たさない場合には、たとえ労働者の同意があったとしても無効となるとしました。</p>



<h3 class="wp-block-heading">本件試用期間の延長は無効</h3>



<p>&nbsp;その上で裁判所は、本件で上記の条件を満たしているのかを検討していますが、ここで次のように述べています。</p>



<p class="has-border -border01">・原告は、社会人経験がない新卒の立場で入社したものであるところ、学生感覚から抜け出せないまま社会人になってしまう事例は内容・程度に差はあっても社会内に相当程度存在する。<br><br>・そうすると、原告の就労開始直後から勤務態度等に問題があることを把握していた被告としては、<strong>面談を実施するなどして問題点を具体的に指摘</strong>した上で、改善されなければ本採用拒否もあり得るなどと<strong>警告し</strong>、<strong>適切な時間間隔で面談を繰り返す</strong>などして改善の有無等に関する被告の認識を伝えるなどして、適格性等を見極める取り組みをすべきであった。</p>



<p>そして、被告はこのような取り組みをしていなかったから、「やむを得ない事情」があったとは言えないとしました。</p>



<p>ここでの裁判所の指摘は、試用期間時に労働者に問題を感じた会社が何をすべきかを明示するものとして参考になります。</p>



<p>この他に、裁判所は、 原告の執務場所を、原告しかいない会議室とし、主に簿記の自習や新聞記事の閲読・報告等をさせた被告の対応について、職務能力や適格性を見極めるという目的とは相容れないと指摘しました。</p>



<p>そして、事後の被告役員の発言内容から、原告に対する執務場所や執務内容に係る被告の対応は、原告に精神的苦痛を与えて退職勧奨に応じさせる目的であったと認めざるを得ないとしました。</p>



<p class="u-mb-ctrl u-mb-20">以上から、1回目の試用期間延長はやむを得ない事情や調査を尽くす目的があったとは認められず無効であり、それを前提とする2回目、3回目の延長も無効であると結論づけました。</p>



<h2 class="wp-block-heading"><strong>普通解雇としての効力について</strong></h2>



<p class="u-mb-ctrl u-mb-20">&nbsp;試用期間の延長の効力が認められなかったことにより、本採用拒否も認められないことになりますが、裁判所は、普通解雇として有効かという点についてもあわせて検討しています。</p>



<h3 class="wp-block-heading u-mb-ctrl u-mb-20"><strong>業務指示不服従について</strong></h3>



<h4 class="wp-block-heading"><strong>労災申請に関する不服従</strong></h4>



<p class="u-mb-ctrl u-mb-20">被告から「労災認定の見込みが薄い」と伝えられても原告が労災申請を行ったことに対し、裁判所は、原告がその意見に従うべき法的根拠がないため、これを解雇事由とすることはできないとしました。</p>



<h4 class="wp-block-heading"><strong>マスク着用に関する不服従</strong></h4>



<p class="u-mb-ctrl u-mb-20">原告が花粉症や喉の痛みへの対策としてマスクを着用していたと弁解しており、これを否定する証拠がないこと、被告がマスク着用の必要性について原告に具体的に聴取したり、医師の見解を確認したりするなどの慎重な対応を怠っていたことから、これを解雇事由に当たると評価することは困難としました。</p>



<h4 class="wp-block-heading">&nbsp;<strong>服装に関する不備</strong></h4>



<p class="u-mb-ctrl u-mb-20">研修初日に「腰パン」状態（ズボンをずり下げて着用）で出勤した事実は認められるものの、スーツ着用義務のない研修初日の出来事であり、これのみをもって「対応が改まらない」と評価できるほどの事実は認められないとされました。</p>



<h4 class="wp-block-heading">&nbsp;<strong>先輩社員の指示不服従</strong></h4>



<p class="u-mb-ctrl u-mb-20">太陽光発電の補助金に関する報告を先輩社員から指示された際に「ネットを検索すると該当頁が出てくるのでそこを見てください」「自分で調べた方が早いと思います」と返答したことについて、直属の上司が原告の勤務態度について問題がなかったことを認めており、また、先輩社員の指示が上司の意向に基づく教育目的であることが事前に明示されていたとは認められないから、この点をもって解雇事由に当たるとまで言うのは困難であるとされました。</p>



<h4 class="wp-block-heading"><strong>電話応対</strong>の問題</h4>



<p class="u-mb-ctrl u-mb-20">「明るく対応するように」との指導にもかかわらず2週間で改善しなかった点について、声量や音域、滑舌など複数の要素の改善が必要なところ、被告が改善に向けた具体的な指導をしたと認めるに足りる証拠がないため、解雇事由に当たるとまでは困難であると判断されました。</p>



<h4 class="wp-block-heading u-mb-ctrl u-mb-20"><strong>勤務表の修正義務不履行</strong></h4>



<p class="u-mb-ctrl u-mb-20">被告は、被告が労働時間として認められる残業でない限り退社時刻の記録を「午後5時30分」に修正しなければならないという運用に従わなかった点を問題としましたが、裁判所は、この運用自体に、労働者に事実上のサービス残業を強いることになりかねない疑問の余地があると指摘し、原告が午後5時30分以降も実際に労働していたのに虚偽の記録を作成することに納得できなかった可能性も考慮され、この点が解雇事由に当たるとは困難であるとされました。</p>



<h4 class="wp-block-heading"><strong>掃除に関する「雑用」発言</strong></h4>



<p class="u-mb-ctrl u-mb-20">総務部社員から掃除を指示されて「雑用」と発言し指導された事実は認められるものの、指示に従わなかったとまでは評価し難く、解雇事由に当たるとは困難であると判断されました。</p>



<h4 class="wp-block-heading">&nbsp;&nbsp;<strong>遅刻報告懈怠・遅延証明書提出懈怠</strong></h4>



<p class="u-mb-ctrl u-mb-20">2回の遅刻のうち1回は、台風の影響による交通遅延で事前に連絡をしており、遅延証明書を確認しなくても遅刻がやむを得ないと判断可能な状況でした。そのため、1回の遅刻報告・遅延証明書提出懈怠のみで解雇事由に当たるとまでは評価できないとされました。</p>



<h3 class="wp-block-heading u-mb-ctrl u-mb-20"><strong>知識・理解度不足、学習意欲の欠如、他社員との意思疎通の問題について</strong></h3>



<h4 class="wp-block-heading"><strong>簿記テスト結果</strong></h4>



<p class="u-mb-ctrl u-mb-20">被告が原告を精神的苦痛を与えて退職勧奨に応じさせる目的で会議室に一人で執務させ、自習をさせていた状況下でのテスト結果であるため、習得が順調にできなかったことが専ら原告の能力に起因するとまでは困難であるとされました。</p>



<h4 class="wp-block-heading">&nbsp;&nbsp;<strong>太陽光発電テスト結果</strong></h4>



<p class="u-mb-ctrl u-mb-20">他の新入社員との比較できる成績が不明であるため、原告の知識・理解度不足をもって解雇事由に当たるとまでは評価困難であるとされました。</p>



<h4 class="wp-block-heading">&nbsp;<strong>生産部組立研修での態度・理解度</strong></h4>



<p class="u-mb-ctrl u-mb-20">研修作業がうまくいかない際に工具を放り投げるなどの態度や、他の参加者と比べて理解度が低い可能性は認められるものの、実質的に社会人経験のない新卒者と同じ立場であることを考慮すると、他の事情と併せて慎重に検討すべきであるとされました。</p>



<h4 class="wp-block-heading"><strong>研修での消極的発言（「やりたくない」「自分の仕事ではない」「出張は嫌だ」など）</strong></h4>



<p class="u-mb-ctrl u-mb-20">学習意欲に不足がある態度と評価することもできるが、原告が実質社会人経験のない新卒者と同じ立場であったことを考慮すると、これのみをもって解雇事由に当たるとは評価できないとされました。</p>



<h4 class="wp-block-heading">&nbsp;<strong>懇親会での孤立的行動</strong></h4>



<p class="u-mb-ctrl u-mb-20">懇親会で他の社員との会話をせずに一人着席して食事をしていたことや、研修受講態度から他の新入社員が原告とかかわりにくいと感じて孤立的な状況にあったとしても、人見知り傾向のある新入社員は一定程度存在するとうかがえるため、直ちに解雇事由に当たるとは困難であるとされました。</p>



<h3 class="wp-block-heading"><strong>総合判断</strong></h3>



<p>裁判所は、解雇事由に当たり得る問題として、集中力の不足や指導担当者の説明を聴きとって理解することの問題、学習意欲に不足がある態度、意思疎通の問題があるとしながらも、原告が実質的に新卒者と同じ立場であったこと、被告が原告の問題に対して適切な指導をせず、むしろ退職勧奨に力を入れて自習を続けさせていたことを総合的に考慮すると、これらの問題も解雇事由に当たるとは評価できないとしました。</p>



<p class="u-mb-ctrl u-mb-20">そして、解雇事由が存在しないから、本件解雇は無効と結論付けました。</p>



<h2 class="wp-block-heading">あわせて読むと理解が深まる記事</h2>



<p class="u-mb-ctrl u-mb-20">解雇がどのような場合に認められるのかをまとめています。<br>⇒<a href="https://rodosoudan.net/blog-entry-8.html">許される解雇理由とは？無効となるケースと判断基準を徹底解説</a></p>



<p>本採用拒否がどのような場合に認められるかをまとめています。<br><a href="https://rodosoudan.net/blog-entry-36.html">本採用拒否・試用期間中の解雇は有効？裁判例でわかる判断ポイント</a><br></p>
]]></content:encoded>
					
		
		
			</item>
		<item>
		<title>映像コンテンツ制作会社のADに対する仮払金未精算及び出勤停止解除後の欠勤等を理由とする懲戒解雇が無効と判断された事例</title>
		<link>https://rodosoudan.net/kaikosaibanrei/archives/1290</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[revon]]></dc:creator>
		<pubDate>Sat, 06 Sep 2025 03:35:47 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[解雇無効]]></category>
		<category><![CDATA[情報漏洩]]></category>
		<category><![CDATA[懲戒解雇]]></category>
		<category><![CDATA[欠勤・遅刻・早退]]></category>
		<category><![CDATA[着服・横領]]></category>
		<guid isPermaLink="false">https://rodosoudan.net/kaikosaibanrei/?p=1290</guid>

					<description><![CDATA[基本情報 判決日 令和2年9月25日 裁判所 東京地裁 判決結果 解雇無効 解雇の種類 懲戒解雇 解雇理由 欠勤・遅刻・早退／着服横領／情報漏洩 事案の概要 被告はテレビ番組やWEBコンテンツなどの映像コンテンツの企画・ [&#8230;]]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[
<h2 class="wp-block-heading">基本情報</h2>



<figure class="wp-block-table u-mb-ctrl u-mb-20"><table><tbody><tr><th class="has-text-align-left" data-align="left">判決日</th><td>令和2年9月25日</td></tr><tr><th class="has-text-align-left" data-align="left">裁判所</th><td>東京地裁</td></tr><tr><th class="has-text-align-left" data-align="left">判決結果</th><td>解雇無効</td></tr><tr><th class="has-text-align-left" data-align="left">解雇の種類</th><td>懲戒解雇</td></tr><tr><th class="has-text-align-left" data-align="left">解雇理由</th><td>欠勤・遅刻・早退／着服横領／情報漏洩</td></tr></tbody></table></figure>



<h2 class="wp-block-heading">事案の概要</h2>



<p>被告はテレビ番組やWEBコンテンツなどの映像コンテンツの企画・制作・著作権管理等を行う株式会社です。原告は、被告の従業員としてアシスタント・ディレクターの業務に従事していました。</p>



<p>あるとき、原告は、被告代表者から「死ね」といった暴言を受けたことがきっかけで、職務から離脱し、連絡がとれない状態となりました。</p>



<p>これに対し、被告は、職務怠慢、無断欠勤、横領があったとして、懲戒処分として同日以降の社屋への立入りを禁止しました（本件出勤停止処分）。</p>



<p>原告が、依頼した弁護士を通じて、出勤停止処分の効力を争う通知を行ったところ、被告は、この処分を解除するとともに、原告に対して、ハードディスクや出演者承諾書の返還及び仮払金の精算、出勤を求めました。</p>



<p>これに原告が応じなかったところ、被告は、原告を懲戒解雇処分としました。</p>



<p>被告は、懲戒解雇の理由として、虚偽告訴、ハードディスクや出演者承諾書の持ち出し・隠匿、仮払金23万円の横領、出勤停止解除後の長期間の欠勤、機密情報のパソコンへの保管などを主張しました。</p>



<p class="u-mb-ctrl u-mb-20">これに対して、原告は、被告代表者による日常的な暴行や暴言があったため出勤できなくなったこと、仮払金は被告代表者とともに乗車してきた自動車内に置いてきたため横領ではない等と主張し、懲戒解雇の効力を争いました。</p>



<h2 class="wp-block-heading">裁判所の判断</h2>



<p>裁判所は、まず本件出勤停止処分の有効性について、客観的に合理的な理由がなく、社会通念上相当であるとも認め難いから、無効であるとしました。</p>



<p class="u-mb-ctrl u-mb-20">その上で、本件懲戒解雇の有効性について次のように判断しました。</p>



<h3 class="wp-block-heading">虚偽告訴</h3>



<p class="u-mb-ctrl u-mb-20">原告が、被告代表者による暴行（顔面を殴打する等）により傷害を負った事実を認定した上で、虚偽告訴にはあたらないとしました。</p>



<h3 class="wp-block-heading">ハードディスク等の持ち出し</h3>



<p class="u-mb-ctrl u-mb-20">&nbsp;日頃から行われていた行為であり、被告代表者がとがめた形跡もないことから、無断でなされた非違行為にはあたらないとしました。</p>



<h3 class="wp-block-heading">機密情報のパソコンへの保存</h3>



<p class="u-mb-ctrl u-mb-20">被告代表者はその使用を容認していたとみるのが相当であり、私的使用や開示・漏洩の事実もないとして、非違行為にはあたらないとしました。</p>



<h3 class="wp-block-heading"><strong>仮払金の未精算／出勤停止処分解除後の長期間の欠勤</strong></h3>



<p>これに対して、仮払金の未精算については、裁判所は、所定の手続きがなされておらず、就業規則所定の非違行為に該当するとしました。</p>



<p>また、出勤停止処分解除後の長期間の欠勤についても、労務提供義務の履行が可能な状況であったにもかかわらず応じなかったものとして、就業規則所定の非違行為に該当するとしました。</p>



<p>もっとも、裁判所は、以下の点を指摘し、これらの事由を理由に<strong>普通解雇はともかく懲戒解雇にまで及ぶことは社会的相当性を欠く</strong>としました。</p>



<p class="has-border -border01">•&nbsp;原告が欠勤し、仮払金が未精算のままとなったのは、被告代表者から暴行を受けることがあったほか、多額の債務を負担させられ、支払いを求められたことに起因するとみられること。<br><br>•&nbsp;原告に特段の懲罰歴も認められないこと</p>



<p class="u-mb-ctrl u-mb-20">以上により、裁判所は本件懲戒解雇を<strong>無効</strong>と結論づけました。</p>



<h2 class="wp-block-heading">あわせて読むと理解が深まる記事</h2>



<p class="u-mb-ctrl u-mb-20">懲戒解雇がどのような場合に認められるかをまとめています。<br>⇒<a href="https://rodosoudan.net/blog-entry-126.html">懲戒解雇されそうなときに知っておきたい法律知識と今すぐできる対処法</a></p>
]]></content:encoded>
					
		
		
			</item>
		<item>
		<title>銀行子会社の社員に対する業務上のミス、セクハラ、窃盗等を理由とする普通解雇が無効と判断された事例</title>
		<link>https://rodosoudan.net/kaikosaibanrei/archives/1283</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[revon]]></dc:creator>
		<pubDate>Fri, 05 Sep 2025 00:24:55 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[解雇無効]]></category>
		<category><![CDATA[セクハラ・パワハラ]]></category>
		<category><![CDATA[勤務態度不良・協調性欠如]]></category>
		<category><![CDATA[成績不良・能力不足]]></category>
		<category><![CDATA[普通解雇]]></category>
		<category><![CDATA[着服・横領]]></category>
		<guid isPermaLink="false">https://rodosoudan.net/kaikosaibanrei/?p=1283</guid>

					<description><![CDATA[基本情報 判決日 令和2年9月16日 裁判所 東京地裁 判決結果 解雇無効 解雇の種類 普通解雇 解雇理由 勤務態度不良・協調性欠如／成績不良・能力不足／セクハラ・パワハラ／着服・横領 事案の概要 本件は、A銀行から子会 [&#8230;]]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[
<h2 class="wp-block-heading">基本情報</h2>



<figure class="wp-block-table u-mb-ctrl u-mb-20"><table><tbody><tr><th class="has-text-align-left" data-align="left">判決日</th><td>令和2年9月16日</td></tr><tr><th class="has-text-align-left" data-align="left">裁判所</th><td>東京地裁</td></tr><tr><th class="has-text-align-left" data-align="left">判決結果</th><td>解雇無効</td></tr><tr><th class="has-text-align-left" data-align="left">解雇の種類</th><td>普通解雇</td></tr><tr><th class="has-text-align-left" data-align="left">解雇理由</th><td>勤務態度不良・協調性欠如／成績不良・能力不足／セクハラ・パワハラ／着服・横領</td></tr></tbody></table></figure>



<h2 class="wp-block-heading">事案の概要</h2>



<p>本件は、A銀行から子会社Y に転籍し勤務していた原告Xが、Y社から行われた普通解雇の効力を争った事案です。<br><br>原告は、Y社に転籍後、研修事業部における研修業務、その後、総務及び庶務業務、関連会社の社員の人事事務などを行っていました。</p>



<p class="u-mb-ctrl u-mb-20">被告Y社は、原告Xの解雇理由として主に以下の点を主張しました。</p>



<p class="u-mb-ctrl u-mb-20 has-border -border01"><strong>窃盗行為</strong><br>・転籍後早々に研修所で保管されていたビールを持ち出し、これにより懲戒処分（出勤停止7日）を受けた。<br><br><strong>業務上のミス・勤務成績不良</strong><br>・窃盗行為により研修担当を外された後も、会社携帯とSuicaの紛失、インフルエンザ補助金の計上ミスといった業務上のミスを繰り返した。<br><br>・そのため、上司によるダブルチェックが必要になり、また、他部署異動後も多数の業務ミスがあり、ミスを隠蔽するような対応が見られるなどの問題があった。また、4度の業績評価で最低評価「I（不十分）」を3度取得した。<br><br><strong>セクハラ行為</strong><br>・2名の女性社員に対するセクハラを理由に懲戒処分（出勤停止2週間）を受けた。さらに、被告は、この懲戒処分の際に「他に規律違反行為はない」と誓約書を提出したにもかかわらず、その後も複数のセクハラ行為（非違行為1〜7）に及んだ。</p>



<p>被告Y社は、これらにより、原告Xには勤務成績及び業務遂行能力の観点から著しく問題があり、かつ非違行為を繰り返しており、改善の見込みはなく、雇用継続をするに足る信頼関係が破壊されているなどとして、普通解雇は有効であると主張しました。</p>



<p class="u-mb-ctrl u-mb-20">これに対して、原告Xは、勤務成績不良やセクハラ行為の多くは事実ではないか、解雇事由に該当するほど重大ではないと反論し、解雇は無効であると主張しました</p>



<h2 class="wp-block-heading">裁判所の判断</h2>



<p class="u-mb-ctrl u-mb-20">裁判所は、原告が被告に転籍して以降、2回の懲戒処分（窃盗、セクハラ）に加え、複数の業務上のミスや落ち度と評価される言動があり、2回目の懲戒処分とは別のセクハラに該当する非違行為があったと認められることから、被告が原告について普通解雇事由が認められると判断したことは<br><br><strong>「全く根拠に基づかない不当な判断であったとは解されない」</strong><br><br>としながらも、原告と被告の間の信頼関係が破壊され、普通解雇事由に該当するというためには、解雇を相当とするだけの客観的事情が存在することが必要であると述べ、以下の点を具体的に検討しました。</p>



<h3 class="wp-block-heading">勤務成績及び業務遂行能力の不良の程度について</h3>



<p>裁判所は、次の点を指摘して、「原告の業務ミスは問題ではあるものの相当重大な問題であったとまではいえない」としました。</p>



<p class="has-border -border01">・ 顧客に直接影響を与えた業務上のミスは半年から2年以上前のことであること。<br><br>・その他のミス（上司等への事前または事後の報告なく業務を行ったもの、記載ミスや誤記を見落としたもの、指示を受けた業務に取りかかるのが遅かったもの等）は多数あるものの、細かなミスや落ち度が多く、いずれも上司や同僚の指摘で対応されており、重大な結果には至っていないこと。<br><br>・ 被告が原告のミスと主張するものの中には、原告のミスや落ち度とまでは評価できないものも複数含まれていたこと。</p>



<p>また、以下の点を指摘して、「原告に直ちに改善の意欲や可能性がないとまでは言えない」としました。</p>



<p class="has-border -border01">・関連会社とのやりとりについて、上司がいったん確認した上で処理させることとしていたところ、原告が上司に対して自分が対応することはあるかと申し出ることもあったこと<br><br>・顧客（関連会社）に直接影響を与える重大なミスは解雇の半年以上の前のものしか認められないこと</p>



<p class="u-mb-ctrl u-mb-20">以上により、裁判所は、「原告の勤務成績及び業務遂行力が不良であったことは否定できない」としながらも、「<strong>勤務成績及び業務遂行能力の不良の程度は直ちに解雇を相当とする程度に至っていなかった</strong>」と結論づけました。</p>



<h3 class="wp-block-heading"><strong>非違行為の程度について</strong></h3>



<p>裁判所は、認定した非違行為のうち、</p>



<p>①女性社員に対して、「可愛い」「素敵」などと述べた上、何度も食事に誘い、私的な連絡先を渡した行為</p>



<p>について</p>



<p class="has-border -border01">身体的接触を伴うものではなく、直接的に性的な発言でもないことからすれば、原告の行為は問題ではあるものの、その程度は重大とまでは評価できない</p>



<p>としました。</p>



<p>また、</p>



<p>②会社の暑気払いの後に、緊急連絡網に記載されていた女性社員の私用の連絡先にメールを送信し、帰宅したかについて確認した行為。携帯電話をスマートフォンに変更した際に、連絡先に登録されていた全員にショートメールで連絡先変更の通知を送った行為等。</p>



<p>について、</p>



<p class="has-border -border01">問題ではあるが、その内容は挨拶等にとどまり、連絡の時期や回数からすれば、執拗であったとも言えず、性的な言動とは評価できないことからすると、重大な問題ではあるとは言えない。</p>



<p>としました。</p>



<p>そして、次の点を指摘して、原告について改善が期待できないとは言えないから、直ちに解雇を相当する行為として、原被告間の信頼関係が破壊されたと認めるには足りないとしました。</p>



<p class="has-border -border01 u-mb-ctrl u-mb-20">・これらの行為がセクハラを理由とする2回目の懲戒処分よりも前の行為であること<br><br>・セクハラによる懲戒処分以降に行った非違行為は、性的言動とは評価できないこと</p>



<h2 class="wp-block-heading">解雇は無効</h2>



<p>以上により裁判所は、原被告間の信頼関係が破壊されていたと認めるには足りず、本件解雇は無効と結論付けました。</p>



<p>なお、裁判所は、普通解雇において個々の行為を細分化して評価すべきでないという被告の主張については、</p>



<p class="has-border -border01">信頼関係破壊という解雇事由に該当する具体的な事実について、それが信頼関係を破壊したと認めるに足りるかを具体的に検討する必要がある</p>



<p>として、これを排斥しています。</p>



<p class="u-mb-ctrl u-mb-20">裁判所も認めるとおり、多数の問題行為があった事案ですが、ミスについては多数あったものの、一つ一つをみると細かなミスで重大な結果に至るものではなかったことや、セクハラについては、根拠資料不足などで被告の主張どおりには認定されず、また、性的言動と言えるか微妙なものが含まれていたことが大きく影響しているといえます。</p>



<h2 class="wp-block-heading">あわせて読むと理解が深まる記事</h2>



<p class="u-mb-ctrl u-mb-20">解雇がどのような場合に認められるのかをまとめています。<br>⇒<a href="https://rodosoudan.net/blog-entry-8.html">許される解雇理由とは？無効となるケースと判断基準を徹底解説</a><br></p>
]]></content:encoded>
					
		
		
			</item>
		<item>
		<title>不動産会社の本部長及び店長に対して行われた引き抜き行為等を理由とする懲戒解雇が有効と判断された事例</title>
		<link>https://rodosoudan.net/kaikosaibanrei/archives/1256</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[revon]]></dc:creator>
		<pubDate>Tue, 18 Feb 2025 23:56:49 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[解雇有効]]></category>
		<category><![CDATA[懲戒解雇]]></category>
		<category><![CDATA[競業避止義務違反]]></category>
		<guid isPermaLink="false">https://rodosoudan.net/kaikosaibanrei/?p=1256</guid>

					<description><![CDATA[基本情報 判決日 令和２年８月６日 裁判所 大阪地裁 判決結果 解雇有効 解雇の種類 懲戒解雇 解雇理由 競業避止義務違反 引き抜き行為と解雇 労働者が退職して新たに事業を立ち上げたり、他の会社に就職する際に、他の社員を [&#8230;]]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[
<h2 class="wp-block-heading">基本情報</h2>



<figure class="wp-block-table u-mb-ctrl u-mb-20"><table><tbody><tr><th class="has-text-align-left" data-align="left">判決日</th><td>令和２年８月６日</td></tr><tr><th class="has-text-align-left" data-align="left">裁判所</th><td>大阪地裁</td></tr><tr><th class="has-text-align-left" data-align="left">判決結果</th><td>解雇有効</td></tr><tr><th class="has-text-align-left" data-align="left">解雇の種類</th><td>懲戒解雇</td></tr><tr><th class="has-text-align-left" data-align="left">解雇理由</th><td>競業避止義務違反</td></tr></tbody></table></figure>



<h2 class="wp-block-heading">引き抜き行為と解雇</h2>



<p>労働者が退職して新たに事業を立ち上げたり、他の会社に就職する際に、他の社員を引き抜いていく場合があります。</p>



<p>労働者は在職中には使用者の正当な利益を信頼関係を破壊するような不当な態様で侵害してはならない義務（誠実義務）を負っています。そのため、在職中にこうした勧誘行為が行われる場合には、誠実義務違反にならないのかが問題になります。（▼<a href="https://rodosoudan.net/blog-entry-hikinuki.html ‎">従業員の引き抜き行為が違法となる場合とは ‎</a>）</p>



<p>在職中にこうした引き抜き行為が発覚した場合には、解雇の可否という形で争われることもあります。</p>



<p class="u-mb-ctrl u-mb-20">ここでは、引き抜き行為を理由として行われた懲戒解雇の効力が問題となったケースについて見ていきます。</p>



<h2 class="wp-block-heading">事案の概要</h2>



<p>本件で引き抜き行為を理由として解雇の対象となったのは、不動産会社において本部長を務めていた労働者1名と、支店の店長を務めていた労働者1名です。</p>



<p>この不動産会社には、7店舗、60名強の従業員がおり、本部長は会社における3番目の地位にありました。</p>



<p class="u-mb-ctrl u-mb-20">会社は、この2名の労働者について「自らが転職を予定していた同業他社グループのために、多数の部下に対して繰り返し転職の勧誘を行い、また同業他社グループのために営業店舗を探す行為を行った」などとして懲戒解雇したため、その効力が争われました。（裁判では、他にもう1名に対して行われた解雇も争われましたが、この点については省略します）</p>



<h2 class="wp-block-heading">裁判所の判断</h2>



<p>裁判所は、2名が</p>



<p>「本部長及び店長という重要な地位にありながら、合計7名の従業員に対して「引き抜き」のための労働条件の上乗せや300万円もの支度金を提示するなどして、転職の勧誘を繰り返した」</p>



<p>とした上で、これは、単なる転職の勧誘にとどまるものではなく、就業規則の懲戒解雇事由（会社の命令または許可を受けないで、他の会社・団体等の営利を目的とする業務を行うこと等」）に該当するとしました。</p>



<p>そして、解雇の合理性・相当性については、次の点を指摘して、原告らの行為は「単なる転職の勧誘にとどまらず、社会的相当性を欠く態様で行われたもの」としました。</p>



<p class="has-border -border01">・勧誘を行った対象が、7つある店舗のうち、1つの店舗の店長及び営業職6名のうちの2名、他の店舗の営業職6名のうち3名であること<br><br>・労働条件の上乗せをしたり、300万円の支度金を提示するなどしていること<br><br>・店長を務めていた原告が、当該店舗から450メートルしか離れていない同業他社の店舗の店長となっており、勧誘対象となった営業職員もそこで勤務することが想定されていたこと<br><br>・店舗探しも在職中に行われていたこと<br><br>・７名が転職に至っていた場合には、会社に経営に与える影響は大きかったと容易に推察できること<br><br>・他の営業職や事務職にも声をかけていたことがうかがわれること</p>



<p class="u-mb-ctrl u-mb-20">そして、原告らがまもなく退職を予定していたことも考慮すると、解雇には客観的に合理的な理由があり、社会的に相当なものとして、有効と結論づけました。</p>



<h2 class="wp-block-heading">あわせて読むと理解が深まる記事</h2>



<p class="u-mb-ctrl u-mb-20">懲戒解雇がどのような場合に認められるかをまとめています。<br>⇒<a href="https://rodosoudan.net/blog-entry-126.html">懲戒解雇されそうなときに知っておきたい法律知識と今すぐできる対処法</a></p>
]]></content:encoded>
					
		
		
			</item>
		<item>
		<title>銀行員に対して行われた情報漏洩を理由とする懲戒解雇が有効と判断された事例</title>
		<link>https://rodosoudan.net/kaikosaibanrei/archives/1236</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[revon]]></dc:creator>
		<pubDate>Wed, 15 Jan 2025 23:56:24 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[解雇有効]]></category>
		<category><![CDATA[懲戒解雇]]></category>
		<guid isPermaLink="false">https://rodosoudan.net/kaikosaibanrei/?p=1236</guid>

					<description><![CDATA[基本情報 判決日 令和２年１月２９日 裁判所 東京地裁 判決結果 解雇有効 解雇の種類 懲戒解雇 解雇理由 情報漏洩 情報漏洩と解雇 労働者は、労働契約に付随する義務として、使用者の正当な利益を信頼関係を破壊するような不 [&#8230;]]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[
<h2 class="wp-block-heading">基本情報</h2>



<figure class="wp-block-table u-mb-ctrl u-mb-20"><table><tbody><tr><th class="has-text-align-left" data-align="left">判決日</th><td>令和２年１月２９日</td></tr><tr><th class="has-text-align-left" data-align="left">裁判所</th><td>東京地裁</td></tr><tr><th class="has-text-align-left" data-align="left">判決結果</th><td>解雇有効</td></tr><tr><th class="has-text-align-left" data-align="left">解雇の種類</th><td>懲戒解雇</td></tr><tr><th class="has-text-align-left" data-align="left">解雇理由</th><td>情報漏洩</td></tr></tbody></table></figure>



<h2 class="wp-block-heading">情報漏洩と解雇</h2>



<p>労働者は、労働契約に付随する義務として、使用者の正当な利益を信頼関係を破壊するような不当な態様で侵害してはならないという義務（誠実義務）を負っています。</p>



<p>その誠実義務の一環として、労働者は、秘密を保持すべき義務も負っています。情報漏洩は、この秘密保持義務との関係で問題となる行為です。</p>



<p>多くの会社の就業規則では、服務規律の一つとして守秘義務を掲げ、また、懲戒事由として情報漏洩を挙げています。情報の価値がますます増大化する現代においては、情報漏洩が企業秩序に与える影響も増していると言えます。</p>



<p>一方で、情報漏洩を問題とする以上、その情報が従前、会社内でどう扱われていたのか、という点も問題となります。秘密の管理や情報の管理が杜撰な状態な中で、恣意的に情報漏洩を問題とすることは許されないでしょう。その意味で、労働者の情報漏洩を問題とする場面では、情報セキュリティに対する日常的な会社の姿勢も問われることになります。</p>



<p class="u-mb-ctrl u-mb-20">ここでは、情報漏洩を理由に行われた懲戒解雇の効力について見ていきます。</p>



<h2 class="wp-block-heading">事案の概要</h2>



<p>この事案では、銀行の行員が、約３年半にわたって、対外秘である行内通達などを無断で多数持ち出し、新聞社や出版社に送付するなどした行為が問題となりました。</p>



<p>漏洩行為の結果、雑誌には当該資料そのものが掲載され、これに関する記事が複数回掲載されるなどしました。</p>



<p class="u-mb-ctrl u-mb-20">調査の結果、当該行員の行為であることが発覚したことから、銀行は「会社の信用、名誉を傷つけ、または会社に損害を及ぼすような行為があったとき」「経営上、業務上の秘密、業務上知り得た秘密などを正当な理由無く漏らし、また漏らそうとしたとき」といった懲戒事由に該当するとして懲戒解雇を行いました。</p>



<h2 class="wp-block-heading">裁判所の判断</h2>



<p>裁判所は、原告（行員）の行為が、懲戒解雇事由に該当するとした上で、その処分の相当性について次の点を指摘しました。</p>



<p class="has-border -border01">・被告は、<span class="swl-marker mark_orange">情報セキュリティ規定を定め、被告職員に対して情報セキュリティ対策の徹底を図っていた</span>ところ、原告は、その基本的な規律に違反していることを認識しながら、厳格な管理を要する情報として分類されている情報を含む情報を持ち出し、出版社などに常習的に漏洩していたものであって、その行為は、<span class="swl-marker mark_orange">情報資産の適切な保護利用を重要視する被告の企業秩序に対する重大な違反行為</span>である。<br><br>・漏洩の結果、通達そのものが雑誌に掲載され、また記事が執筆されるなど、<span class="swl-marker mark_orange">被告の情報管理体制に対する疑念を世間に生じさせ、被告の社会的評価を相応に低下させた</span>。<br><br>・原告は、一般の顧客を装って多数のクレーム電話をかけた行為で過去にけん責処分を受け、その際提出した顛末書には他に服務規律違反は一切ない旨誓約していたのに、その時期頃から既に情報漏洩行為を繰り返しており、<span class="swl-marker mark_orange">けん責処分による反省は見られない</span>。</p>



<p>そして、以上を総合すると、処分の量定として懲戒解雇を選択することはやむを得なかったとして、懲戒解雇の客観的合理理由及び社会的相当性を認めました。</p>



<p class="u-mb-ctrl u-mb-20">原告は、「漏洩にかかる情報は、仮に被告外に漏れても何ら問題のない内容のものだった」という主張もしていましたが、これに対して裁判所は、これらの情報が<span class="swl-marker mark_orange">被告において厳格または適切な管理を要する情報として整理され、現に管理されていたこと</span>を指摘して、これを退けています。</p>



<h2 class="wp-block-heading">あわせて読むと理解が深まる記事</h2>



<p class="u-mb-ctrl u-mb-20">懲戒解雇がどのような場合に認められるかをまとめています。<br>⇒<a href="https://rodosoudan.net/blog-entry-126.html">懲戒解雇されそうなときに知っておきたい法律知識と今すぐできる対処法</a></p>
]]></content:encoded>
					
		
		
			</item>
	</channel>
</rss>
