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内定は成立しているか?




内定の成立時期

内定取り消しとその理由で説明したとおり、会社は自由に内定を取り消せるわけではなく、内定取り消しが出来る事由は

採用内定当時知ることができず、また知ることが期待できない事実であって、これを理由として採用内定を取り消すことが解約権留保の趣旨、目的に照らして客観的に合理的と認められ、社会通念上相当として是認することができるもの

に限られます。

そのため、内定取り消しが争いになる場面では、そもそも内定にまで至っているのかが大きな問題になってきます。

内定通知が正式に書面で出されているような場合であれば、あまり問題になりませんが、口頭でのやりとりを通じて内定が出されていく過程では、これは大きな問題です。

そこで、いつ内定(始期付き解約権留保付き雇用契約)がいつ成立したと判断されるのかについて見ていきたいと思います。

ここまで話が具体化していれば・・・

例えば、内定が成立していたかが争われた裁判例(平成20年6月27日東京地裁判決)を見てみます。

この事案は、証券会社に勤務していた原告が、新たに証券業に進出することを予定している会社との間で内定が成立し、勤務先に辞職を申し出たところ、その後一方的に内定取り消しに至ったとして慰謝料の支払いを求めたケースです。

これに対して、被告会社は内定自体が成立していないとして争いました。

この点について、裁判所は、

  1. 被告会社の代表取締役が原告を勧誘し、その後、事業形態や雇用の問題等について話し合いを重ねる中で、雇用条件を詰めるために、原告と被告会社の代表取締役らとの間で会合が開かれるに至ったこと
  2. この会合において、原告が希望する年棒額を提示し、これについて被告会社の代表取締役が概ね了承したこと
  3. 勤務開始日についても合意したこと
  4. その後も被告会社内部でこの会合での発言を前提に事が進められていたこと

等を指摘した上で、

「代表取締役からここまで具体的な話があった以上、これを内定成立と認めて妨げないというべき」

と結論づけました。

原告の採用について役員会での決定を経ていないという事情もありましたが、この点についても、

「代表取締役は被告会社の主要株主の一人であり、代表取締役が決めた以上役員会で承認が得られる見込みがあったのだろうと思うことは部外者としては当然」

等として、内定が成立していることを妨げる事情とは言えないとしています。

結局、内定成立にまで至っていたかは、どのような権限・立場にある者がやりとりをしていたのか、その内容がどこまで具体化していたのか、といった観点から、個別具体的に認定していくことになりますが、その判断のあり方を示す事例として参考になります。

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