「基本給に含まれているから残業代は払わない」という会社の主張は正しいか?

残業代込みの基本給?!

未払い残業代の請求に対する会社の主張として、「基本給の中に残業代が含まれているのだから、それ以上は払う必要はない」というものもあります。

たしかに、基本給の中に、毎月一定の残業代分を含ませるということ自体はありうることです。

しかし、その場合も当然のことながら、どれだけ残業をしても基本給の中に含まれていることにする、ということが許されるわけではありません。

どの部分が残業代に相当するのかの区別

基本給の中に含まれている分の残業時間を超えて残業を行ったのであれば、当然にその分の残業代が支払われなければならないのです。

そのためには、基本給のうち、どの部分が通常の労働時間に対する賃金部分で、どの部分が残業代に相当するのかということが明確に区別されている必要があります。

もし区別されていないと、法律上払われるべき残業代がきちんと払われているかどうかの確認すらできないことになるからです。

したがって、残業代が基本給の中に含まれていると言えるためには、このような明確な区別がされていることが必要となります(高知県観光事件、平成6年6月13日最高裁判決)。

なお、裁判例では、基本給のうちどの部分が通常の労働時間に対する賃金で、どの部分が残業代に相当するのかについて明確に区別されていないケースでも基本給の中に残業代が含まれることを認めた例もあります。

ただし、非常に高額の年棒(基本給年収2200万円)やそれとは別に業績賞与(最高で5000万円)が支払われているなど特殊なケースに限られており、基本的には、上記のとおり残業代とそれ以外の部分についての明確な区別が必要となります。

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