労働審判に臨む前に知っておきたいこと|労働審判員とはどのような立場の人か


2名の労働審判員

労働審判制度を利用すると、裁判官1名と労働審判員2名によって審理がされることになります。

労働審判を利用する方にとっては、この耳慣れない「労働審判員」が一体どういう人たちなのかというのは気になるところだと思います。

労働審判員は、「労働関係に関する専門的な知識経験を有する者」という基準で最高裁判所から任命された方々です。

実際には、使用者側の労働審判員については日本経済団体連合会(日経連)が、労働者側の労働審判員については、日本労働組合総連合会(連合)が、それぞれふさわしい候補者を推薦し、これを最高裁判所が任命しています。

具体的には企業内で労務分野に携わってこられた方や労働組合で活動をされてきた方が労働審判員になっています。

それぞれの立場と中立公正

実際の審判では、労働審判員2名のうち、1名は使用者側の労働審判員、1名は労働者側の労働審判員が担当します。

ただ、労働審判の場で、労働審判員が、自分がどちら側の労働審判員かということを明らかにすることはありませんので、審判を受ける側からすると、どちらが労働者側でどちらが使用者側なのかということは、発言内容からなんとなく推測できるだけで、最後まではっきりとは分かりません。

使用者側、労働者側というと、あたかも使用者側の労働審判員は使用者側に立って、労働者側の労働審判員は労働者側に立って進めるかのように思えますが、そうではありません。

労働審判員は、あくまでも中立公平な立場に立って審理に加わります。

実際にこれまでの経験から言っても、使用者側の労働審判員(と思われる人)が使用者側に厳しい指摘をしたり、労働者側の労働審判員(と思われる人)が労働者側に厳しい指摘をすることがたくさんありました。

労働審判員として選ばれている方が、推薦母体にかかわらず公平に職務を行うという意識をきちんと持ち、かつ自分の経験も踏まえた上で発言すると、結果的に、使用者側の労働審判員は使用者側に厳しく、労働者側の審判員は労働者側に厳しくという傾向が出るのかもしれません。

労働審判制度が始まる前には、逆の傾向を心配されていたことを思うと大変興味深いところです。

労働審判員に理解してもらう

審判の場では裁判官が主に審理をリードしていくため、質疑応答の場などで労働審判員が積極的にたくさんの発言をしたり当事者に多くの質問をしたりすることはないように思います。

しかし、評議の場では労働審判員は裁判官と同じ立場で1票を持ち、また裁判官と比べて労働現場の実態を感覚的よく分かっている労働審判員の意見が裁判官に与える影響も大きいと思いますので、審判の場で話をするときには、労働審判員にもよく分かってもらえるように、その共感を得られるように話すことがとても大切です。

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shita




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