解雇を訴訟で争っている間、他の仕事をして良いか




他の仕事をしていいか

解雇の効力を争っている間に、別の仕事をしていいかということをよく聞かれます。

どのような手続きで解雇の効力を争うにしても、結論がでるまで一定の期間が必要です。その間、本来の職場で働きたくても会社が解雇を主張して働かせてくれないのですから、生活のために別の仕事をするということは一向に構いません。

二重に給料をもらえるか

ただし、最終的に受け取れる給料に関して注意が必要な点があります。

解雇の無効を主張して争っていく場合、通常は、従業員であることの地位の確認と、本来もらえるはずの給料の支払いを請求していくことになります。(詳しくはこちら→解雇は争いたいけれど、職場には戻りたくない!?

しかし、解雇の無効が認められた際に、新しい仕事で得られた給料と元の給料とを完全に二重に取得できるわけではないのです。

少し理屈は難しくなりますが、解雇の効力を争っている間に別の仕事をして得た給料は、「無効な解雇が行われ元の職場で働けなくなったことによって得られた収入」ということができます。(逆に言うと、無効な解雇の言い渡しがなければ得られなかったはずの収入です)

そのため、解雇の無効が認められ、本来の給料について支払いが命じられる際には、そこから新しい仕事によって得た給料分が差し引かれることになるのです。

例えば、元の給料が25万円で、解雇の言い渡し後に、生活のためにアルバイトをはじめ8万円稼いでいたという場合は、25万円-8万円=17万円の支払いということになります。

6割は支払いを受けられる

ただし、この控除も無制限になされるわけではありません。

法律上、会社の責任で休業する場合は、平均賃金の6割の休業手当を支払わなければいけないとされています(労働基準法26条)

そして、無効な解雇が行われた場合もこの「会社の責任で休業する場合」にあてはまると考えられます。

そのため、新しい仕事によって得られた収入がどれだけ多くても、会社は平均賃金の6割分は必ず支払わなければならないのです。

会社が無効な解雇を主張しているせいで仕方なく他の仕事をしているのに、その給料分が控除されてしまうというのはなんとなく釈然としないかもしれませんが、裁判実務上、上記のような扱いが確立していますので、解雇の効力を争っている間に新しく仕事をする際にはこれを念頭に置いて頂く必要があります。

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